世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

G7後、強硬行動目立つ中国

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、529日から64日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 米中国防相会談、中国が拒否(530日)。北朝鮮、弾道ミサイル発射失敗を発表(31日)。ロシアで砲撃14人負傷 反プーチン部隊が攻撃声明(61日)。米CIA(中央情報局)長官、5月に訪中判明(2日)。北京で自由と民主主義を求めるビラがまかれる(3日)。台湾海峡で中国軍艦が米艦に接近(3日)、などです。

 G7(先進国首脳会議)広島サミット後、中国の強硬姿勢が目立ちます。
 もう一度、520日に公表された「共同声明」を確認してみます。

 広島サミットでの声明は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く決意を強調し、ロシアを支援する国々への代償を増大させると警告しました。
 そして、ロシアの「違法な侵略戦争」に直面するウクライナを「必要とされる限り支援する」。即時撤退に向け、ロシアに圧力をかけるよう中国に要請する。中国に対して、東・南シナ海情勢への深刻な懸念を表明。台湾海峡の平和と安定の重要性を確認する、などとなっています。

 特に中国に直接関係のある内容を挙げてみました。

 実は、主要な要点としては表記されなかった内容がありました。
 それは、「われわれは『de-coupling―デカップリング(切り離し)』や内向き志向にはならない。『de-risking―デリスキング(リスク低減)』と多様化が必要だ」という点です。

 このことは、EU(欧州連合)が主導しました。
 口火を切ったのはEUのフォンデアライエン委員長でした。日米との温度差が明らかになったのです。

 共産主義・中国は、「敵」が引けばその機を逃さず積極攻勢に出てきます。
 シンガポールでは6月2日から4日、アジア安全保障会議(シャングリラ会合、英国際戦略研究所主催)が開かれました。
 米国は、ロイド・オースティン国防長官と中国の李尚福国務委員兼国防相の会談をかねてから要請してきましたが、530日、中国は拒否しました。

 その他、526日には南シナ海の国際空域で、米軍偵察機の機首正面を中国軍戦闘機が横切るという極めて危険な行動を取り、さらに63日、台湾海峡で米海軍のミサイル駆逐艦に中国艦艇が約140メートルまで異常接近したのです。明らかな国際法違反です。

 東京大学の佐橋亮准教授は、「経済的威圧をされたときに確実に報復するというメッセージを出さないと抑止は成立しない」「抑えめのメッセージとなれば、逆に中国リスクが増す可能性すらある」とも述べています(529日、日経オンライン)。



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