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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

韓国「安保戦略」、中国には断固たる対応

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、65日から11日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 韓国、安保理の非常任理事国に(6日)。韓国、国家安全保障戦略を発表(7日)。ペンス氏、米大統領選出馬を表明(7日)。米当局、トランプ氏の起訴状公表(9日)。ウクライナ、複数の集落を奪還か(11日)、などです。

 韓国政府は67日、「国家安全保障戦略」を発表しました。
 2004年、廬武鉉(ノ・ムヒョン)政権時に初めて公表され、その後政権が変わるたびに新たな戦略文書を発表してきたのです。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が2022年に発足してから初めてとなり、日本、米国、中国、ロシア、北朝鮮への対応などが記されています。

 注目すべきは、対中国姿勢です。
 「戦略的な意思疎通を強化」し、「成熟した関係に進む」と強調した上で、「国益と原則に基づいて一貫して断固たる対応を取る」と明記しました。

 「戦略」公表の翌日8日、中国のケイ海明駐韓大使が「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表と会談しましたが、その時ケイ氏は、「中韓関係は困難な状況にあるが、中国側にその責任はない」と突き放し、「米国が中国を圧迫する中、中国の敗北にベッティング(賭け)する動きがあるが、誤った判断だ」とも批判したのです。

 韓国外務省は9日、ケイ氏を呼び出し「外交慣例に反する非常識で挑発的な言動で、内政干渉に当たる」と抗議。さらに12日にも、ケイ氏の発言について、外交官の内政不干渉の義務を定めたウィーン条約に言及し、「(双方の)国家的利益を害する恐れがある」と記者団に語ったのです。
 中国政府も反論し、現在非難合戦が続いています。前政権である文在寅(ムン・ジェイン)政権では見られなかった韓国の姿勢です。

 前政権とは対日政策も大きく転換しました。
 前政権は安保戦略を2018年に発表しています。その対日外交方針は「歴史をありのままに直視する」「歴史歪曲(わいきょく)および独島(日本名、竹島)に対する不当な主張」があると訴えていました。
 「歴史問題などに対して断固として対応」と極めて厳しい姿勢だったのです。

 しかし今回の「戦略」は、「普遍的価値を共有して協力強化」し、「安保・経済など多様な分野で協力する重要な隣国」と位置付けました。
 1998年の日韓共同宣言の精神を継承して、「過去を直視し、新しい未来を築く」と記したのです。

 「東アジア外交」の項目で、日本、中国、ロシアとの外交が盛り込まれましたが、このうち最初に記述されたのが日本であり、その分量も中露いずれと比較しても3倍でした。
 韓国、日本、米国との強い連携への意欲が満ちている報告書になりました。



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