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中和新聞セレクト Vol.7
家庭力アップ講座 17

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第7弾は「家庭力アップ講座」(多田聰夫氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』20137月~20163月に全19回で配信されたシリーズです。

17回「人のために生きる」喜び

(中和新聞 2015年8月21日 通巻789号より)

[第4章]子供を愛する

「人のために生きる」喜び

「人のために生きる」喜びを体験させる
 子供が「人のために生きる」喜びを体験することができれば、親が「人のために生きなさい」と言って聞かせる必要はありません。

 子供は、自分の心の中から湧き出る自発的な行為として、「人のために生きる」ようになります。そして、子供は自然に人に対して親切にするようになります。もちろん家庭の中においても、両親や兄弟など家族に対して喜んで奉仕するようになるでしょう。

 親が「家族のために」と思うのは、どのようなときでしょうか。子供のかわいい寝顔を見たときなどに、「この子のために」と思うのではないでしょうか。

 親は、人から言われて子供のために生きようとするのではありません。「してあげたい」という自発的な思いから、「子供のために」生きようとするのです。

 そもそも人間は、心の中では「人のために生きたい」と願っています。それは、神様が人間や自然界を、「お互いに、ために生き合う」ように創造されているからです。自然界では、自覚することなく、それぞれがお互いに他のために生きています。神様から与えられた生を精一杯に生きることが、ために生きることになっているのでしょう。

「親の役に立つ」ことから始める
 それでは、どのようにしたら、「人のために生きる」ことを、子供に対して教えることができるでしょうか。

 第1に、子供に「親の役に立ってもらう」ことから始めましょう。そして、子供が親のために生きることができたなら、親は感謝して喜んであげるのです。

 「ありがとう」とか「助かったよ」、「ああ、うれしかった」など、感謝の気持ちを素直に子供の前で表現するのです。そうすれば子供は、「ために生きる」行動が親に良い影響を与えていることを自覚できるようになります。

 ですから、子供の「ために生きる」行為に対して、親の気持ちを、いかにして愛情豊かに子供に伝えることができるのかが大切です。親が感謝の気持ちを表現することで、子供の心の中に「人のために生きる喜び」の種を植えることができるのです。

 例えば、子供が新聞を取ってきてくれた時に、「ありがとう。お父さんね、起きてすぐに新聞が読めるからうれしいよ」と自分の気持ちを素直に子供に伝えます。

 また、お母さんが食事の準備をしている時に子供が茶碗を並べてくれたならば、「お母さん、この時間とても忙しくてね、あなたがいてくれるから助かるわ」と感謝の気持ちを言葉にして伝えるのです。そうすることで、子供に「人のために生きる」ことの喜びを感じさせてあげることができるのです。

 このように、親が子供の行動に対して、どれほど喜んでいるか、感謝しているかを素直に伝えることです。それによって、親の手伝いなどで自分がしたことが、親に対して肯定的な影響を与えていることを、子供ははっきりと知るようになります。

 そのようにして、子供は「人のために生きる」ことの喜びを感じ、自発的、主体的に「ために生きる」ことを実践し始めるのです。

 第2に、親子がそれぞれの心を共感したときに、子供は「人のために生きる」喜びを感じていきます。

 子供が親に共鳴し、共感して、自らために生きたいと思うようになるのは、親の素直な気持ちを聞かされたときです。親の気持ちを言葉で表し、それを子供と分かち合うとき、子供はそれに共鳴し、共感するのです。

「感謝」「共感」を通して伝える
 ある母親の話を紹介します。

 「家では全く親の手伝いをしない子だったのに、学校の先生から、『お宅のお子さんは率先していろいろと手伝ってくれる生徒ですね』と褒められたのです。その原因は学校の先生でした。先生は、子供たち一人一人に感謝して、喜びを伝える人だったのです。

 先生が、子供たちの気持ちを共感してくれることで、子供は自発的に『人のために生きる』喜びを感じて行動を始めたのです。それで、家庭でも先生と同じことを始めたのです」

 「手伝ってくれて本当にありがとう。あなたが手伝ってくれるおかげで、お母さんはとても助かっているよ」と、親の気持ちを素直に表現することで、子供に「人のために生きる」ことの喜びを感じさせてあげることができるのです。

 このように「感謝」や「共感」を通して、子供に大切なことを伝えることができます。

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 次回は、「価値観を伝える(1)」をお届けします。

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