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続・夫婦愛を育む 2
信じて、任せて、感謝する

ナビゲーター:橘 幸世

 「夫婦愛を育む」シリーズのファンの皆さま、お待たせいたしました!
 橘幸世さんによるエッセーが、「続・夫婦愛を育む」のタイトルで配信(不定期)されることとなりました。

 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)における侍ジャパンの活躍に日本中が熱狂しました。もちろん私もその一人。メディアなどで大きく熱く広く細かく取り上げられてきましたので、いまさら私が何を言っても二番煎じでしょう。それを承知であえて、心に残った一点を書かせていただきたいと思います。

 栗山英樹監督の指導方法「信じて、任せる」は、話題の一つでした。大会中は特に気に留めませんでしたが、大会後コーチの一人が同監督の選手への接し方について、「信じて、任せて、感謝する」とまとめていたのがとても印象に残りました。

 「信じて、任せる」ことの大切さはよくいわれます。
 信じて任せなければ、相手の主体性は育たず、自立できません。頭ではそれが分かるので、私も心がけていますが、「信じきる」「任せきる」ことの難しさを実感することがままあります。

 つい心配が前に出るのです。信じようと思っても、安心したくて確認したくなりますし、任せようと思っても、つい口出し手出ししたくなります。その都度、自分にブレーキをかけるよう努めてはいますが…。

 栗山監督は、選手を信じて任せた結果が好ましくなかった場合でも、その選手を責めることは決してしないそうです。任せたら、その結果まで自分が責任を持つ。たやすいことではありません。

 今回、準決勝9回の逆転のチャンス、不振続きの村上宗隆選手に任せきったのは典型的なシーンでしょう。
 このまま村上選手に打たせて大丈夫か、と思った視聴者は私だけではないと思います。もし彼が凡退し、日本が敗退した場合、責任を問われるのは監督です。結果によってはバッシングも覚悟しながら、任せきりました。良い結果を出せば、栄光は選手のものです。

 「信じて任せる」だけでも簡単ではないのに、そこに、「感謝する」が付いていたのに深い感銘を受けました。
 信じて、任せて、結果を出した選手をたたえ、感謝する。
 リーダーの首(こうべ)が垂れているのです。

 栗山監督について、「サーバント・リーダーシップ」を採用しているように見える、との記事を見つけました。
 サーバント、すなわち僕(しもべ)です。リーダーが、指導する対象の成長や利益のために奉仕し、目標に向かって主体的な行動を促していく、支援型リーダーシップだそうです。

 これを読んで、真のお父様(文鮮明〈ムン・ソンミョン〉総裁)が言われた「父母の心情、僕の体」を思い出しました。

 昨今、スポーツ界で指導の在り方にさまざまな議論がありますが、そこに少なからぬ影響を与えることになるかもしれません。

 とはいえ、こういうリーダーが望ましい、と言うのは簡単ですが、誰もがすぐになれるわけではありません。いざ自分がそのように実践しようと思ったら、器を幾重にも大きく大きくしていかなければならないでしょう。
 リーダーの立場にある・ないにかかわらず、誰かに何かを任せるときや、身近な人たちと接するとき、このフレーズを心に留めておきたいと思います。