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心情開拓
心霊を育てる生活原則(96)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

4 復帰歴史に見る生活原理
(1970年1121日)

▲李耀翰先生

【イエスを中心とする路程】
イエス様への第三試練

 そして三番目は、山の頂上へ行って、サタンは主管権をもっているから「自分に敬拝せよ」と言いました。この現世の主権が欲しければ、私の主管を受けよと言うのです。それで、礼拝を受ける主は神であり、あなたも神を礼拝せよと答えました。あなたも神に侍らなければならないという一つの立場を教えてやりながら、自分は神の立場にいる、あなたも神を礼拝せよと言うのです。あなたが私に敬拝しなくてはならないという、信念をもっていたのです。

 私たちの兄弟で、世間が恋しくなり、「自分も独立してどこかに就職して、世間の人たちと同じように自由に暮らそうかな」と、こう思う人がいるのです。「あまり教会に長くいると、内的には利益がないし、教会長には侍らなくてはならないし、自由になれないではないか。教会に入っていると、組織の中に主管されるから、この良心が不便だから、かえって放してくれればいいのではないか」と言います。

 大先生に、「先生、何年間か、ちょっと私を自由に放してください。私は自由に、一つ暮らしてみたいのです」と。「どうも先生のそばにいたら、もう眠たくても眠られません。寝たら呵責(かしゃく)を受けます。先生は12時になっても、まだ何かしてお休みにならないのに、自分が休むことはできないし、何か食べ物でも先生以上に食べると、呵責を受けます。だから、先生から離れたほうが自由ではないかと思うから、どうか一つ許してください。どこかへ行って就職して、約7年くらい暮らしたいのですが」、このように相談してきた人がいるのです。

 「その代わり、私を忘れないようにお願いします。なぜかというと、先生に対しての尊敬心はもう変えられない」と言うのです。生活だけは自由にさせてもらいたい、「約78年くらい暮らして、金もうけしてくるので」と、こう言います。そういう試練があるのです。

 それはなぜかというと、世間というものを見る時に、自分が救おうと思った主の立場があるのに、世間に主管されるからです。「世間に主管されながら暮らすのも自由ではないか、サタンに敬拝するほうが、かえって自由ではないか、サタンと戦おうとすると何か苦しい、かえって、この世と妥協したほうが自由ではないか」と思ってしまうのです。

 私たちも試練を受けますが、イエス様はその時には、一坪の土地もない、足を置く場もないのですが、「創造主をあなたも敬拝しなさい。いくらこの世間が三権をもっていても、あなたたちも神を知らなくてはならない」と言われました。一つの家もない、一坪の土地もないけれども、「全人類が神を敬拝しなくてはならない」、こう信仰に燃える時には、世間から誘惑を受けないのです。そして、三大試練に勝利して、主管権を復帰したのです。

 相当こちらの兄弟たちは貧乏で、もちろん全国的にそうです。こちらで生活している一般の家庭は、朝起きて晩まで一生涯食物のために働いているけれども、私たちは伝道して暮らしているのです。私たちは伝道ばかりやりながらも、こういうふうに生きていますが、向こうは朝から晩まで、正月から12月まで働いて、ようやくその暮らしをしています。

 同窓会で、世界的位置に進展するとか、だんだんと課長になったとか、副社長になったとか、あるいは警察の何々とか、世間の名誉ある職を得た人を見た時に、相当若者たちは、「伝道しながらなので私はジャンパー一枚しか持っていない。ジヤンパーを着て伝道しなくてはならない。あの人たちは、もはやマイカーを買った。家に行ってみると、テレビもある」と、こう心配するのです。そうすると、主管圏に圧倒されて、価値観を失うのです。

 かえって、この世でプラスの物質をもっている人を、主管性をもって救わなくてはならない自分です。自分が、その責任者です。あなたたちが、今物質をもっていてそれを信頼して生きていても、いつか、私たちのところに来て、「救ってくれ」と言う時が来るのだと、こう自信をもって、主管性を立てて、神の息子としての主管性、威信を立てて、私たちが働くのです。そういう中心をもって、世間に対さないと駄目です。

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 次回は、「三大試練後のイエス様の立場」をお届けします。


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