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43とも倶楽部誕生物語 21
43ともを続けたら、夫の心の窓が開いた!」

櫻井 晴信

 今話題のユニークな読書会、「43とも倶楽部」。本シリーズでは、「43とも倶楽部」がどのようにしてつくられてきたのか、その誕生の物語をお届けします。

 今回は、夫婦43ともを続ける中で劇的な体験をされた50代の女性(新潟県長岡市在住)のお話を紹介します

 主人と結婚して20数年たちますが、主人は会話が苦手で、質問しても「あっ」と言うだけで、すぐ下を向いてしまいます。

 夫は人の話を聞かないので、会話になりません。悪い人ではなく、真面目で黙々と働く素晴らしい人なのですが、近所の人があいさつをしても知らん顔をして通り過ぎ、「声をかけてくれるな」というオーラを激しく出しています。

 半年前、43とも体験会に参加した時はパニックになって、人の感想を褒める時やフリートークの時にも、夫は「分からない」を連発していました。

 テキストの輪読や感想文を書くことはできるのですが、人の話を聞いてそれに答えるというのは今までやったことがないので、混乱したのだと思います。

 それでも、43ともはコミュニケーション能力を高めるとても良い方法で、誰でも実践すれば必ずアップすると聞きましたので、夫婦43ともを毎週やることにしました。

 しかし、私の感想を聞いて褒める時には、「よく分からない」としか言わず、褒めてくれませんでした。
 そういう主人を「今日も43ともやってくれたパパに感謝、素晴らしい」と賛美し続けました。

 毎週日曜日、夫婦43ともを実践しました。夫は嫌々だったと思いますが、それでも付き合ってくれたことが本当にうれしかったのです。

 半年ぐらい続けたある日曜日、なんと主人から「早くやろう」と言いだしました。

 それからしばらくして、家に友人を呼んで43ともをやった時、主人がちゃんと話を聞いて、ちゃんと褒める言葉を言ってくれたのです。涙が出る思いでした。

 家族でご飯を食べながら、今度の日曜日は何をしようかと話し合う時も、今までなら、「はっ」と言って何もしゃべらなかったのに、「私はこうしたい」と言うようになりました。
 今までは私の言うとおりにしていたのに、ちょっと反抗するようにもなってきたのです。

 43ともを続ける中で、少しずつですが夫の硬い心の窓が開いてきたのだと思います。
 43ともが持っている力の大きさを実感しています。(続く)