平和の大道 17
在日同胞は怨讐関係解消の主役に

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

在日同胞の使命と役割

 「日本において在日同胞が和合すれば南北統一の大きな契機となる」と文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は言われる。その相関関係を明らかにしたい。トリガー(引き金)なのか、原因なのか、モデルなのか、一つの条件なのか、この問題について論じることにする。

①在日同胞の立場
 日本帝国主義の圧政下、先の世界大戦の中での強制動員などの前世紀の民族の受難の歴史と、日本において主権を持たない少数民族の悲哀を感じながら、また解放された祖国が思想と理念、そして体制の異なる南と北に分かれて対立・葛藤し、同族で殺し合う悲惨な625韓国動乱を経験した影響で、同じ日本の地で生活しながら一つの共同体を成し得ない立場に別れて対立している。これが在日同胞の日本における立場であると言えよう。

 ここで民団・朝総連の対立の意味を明らかにしよう。国際情勢の中で対立構造が生じたが、その対立の本質は思想的、文明的対立である。朝総連の人々の国籍は北朝鮮であるが、実は大半が南出身で、民団の人々も大半が国籍は韓国であり南出身である。国境がない中、同一民族が日本国内で二つに引き裂かれているが、両者の思想、価値観、体制の違いから対立が生じている。

 北の共産主義社会は、無神論、唯物論に基づく共産主義思想を中心とした政治・経済・文化等のトータルシステムとして一つの文明圏を形成し、南の自由主義社会は、宗教(キリスト教)を基盤とした米国を代表する自由主義文明に属し、北とは対極的な文明圏を形成している。先に述べたように、韓半島の南北間の対立、日本における民団と朝総連の対立は、自由主義と共産主義の思想的対立がその根底にあり、双方の思想に基づく異なる文明間の対立である。

 日本における民団と朝総連の対立は、韓半島の南北対立よりある面もっと深刻である。思想・価値観が根本的に異なるという思想的、文明的な対立が根底にあり、日本に国籍を持たずに日本という異国に住んでいる。そして、同一民族として自由に交流できる環境にいながらも交流が難しい。いわば国境のないところに「見えない国境」があるという状況である。「思想の国境」、「価値観の国境」、「文明の国境」が両者の間に横たわっている。同じ南の出身でありながら、思想、価値観、体制、文明が異なるだけである。

 このような深刻な対立関係にある両者がいかにして和合するのか。両者は怨讐関係にあるため、政治的、経済的な方法での和合では限界があり、怨讐愛、真の愛による「平和の根本哲理」と、自由主義と共産主義とを統合することができる「統一思想」、「頭翼思想」、「神主義」による和合以外に道はないと考える。

②不利な立場か、有利な立場か
 不利だとする悲観論と有利だとする楽観論がある。

 まず悲観論から述べよう。日本人から「第三国人」として差別され、本国の韓国人からは半日本人と見られて韓国人扱いされず、やりようがない境遇を嘆き、「なぜ韓国人として生まれたのか」と存在そのものをのろうような希望がない状況に置かれている。

 一方、楽観論がある。在日のアイデンティティーが、時代の大転換期に当たってはこれから有利な条件となる。在日であることで、日本と韓国を繋ぐ使命があり、その能力に長けていると見る。在日は、国籍を韓半島の韓国、北朝鮮に持つが、居住地は日本である。いわば「韓国、北朝鮮が父」、「日本が母」という両国に足場を持つ有利な存在である。居住国に国籍を持つユダヤ人でも得られない利点を持つ。この特性を活用することができるのが在日同胞である。

 また日本における長年にわたる多くの苦難も意味があると見る。選民の資格を得るために異国の地で苦難の道を歩まなければならなかった紀元前の旧約時代のユダヤ人のように、在日同胞も「選民」としての天命があると見る。日本に60万人以上いることは、一国を善なる道に導くに足る勢力にもなり得るのである。

 日本における民団と朝総連の和合が韓半島の南北統一に関して意味する最も重要な点は、それが共産主義思想と自由主義思想の統一、つまり思想の統一を意味し、思想統一という南北の真の統一につながるということである。

 38度線の撤廃により南北の人々が外的に統一された国内で共に生活するようになった時、心情や思想が通じなければ、共に暮らすこと自体がかえって苦痛となり、内的には混乱の度合いが増すばかりで、「昔の共産主義のほうが良かった」ということにもなりかねない。

 日本の地で思想までも統一された形での和合ができれば、それが「真の統一」のパターンとなり、38度線が撤廃された後の韓半島の内的な真の統一のモデルとしてすることになる。それゆえ日本における在日同胞の和合には、統一思想による啓蒙・教育活動が必須である。

 日本の国が平和国家として立てるように協力することもできる。日本の在日同胞60万人は、紀元前の旧約聖書「出エジプト記」に記されているエジプト王国の中のユダヤ人、ローマ帝国時代の中の基督教徒に該当すると見ることもできる。

 日本は絶対的な存在や価値観を認めようとしない、いわゆる多神教の国家である。一方、在日同胞は一神教的文化の伝統、公益人間思想、敬天愛人思想を持つ民族であるので、多神教の日本文化の中に一神教的な絶対価値を持つ精神文化を導入することができる。

 平和世界や新しい文明を創造しなければならない文明の転換期である今の時代には、主体的・創造的な精神性に欠ける「和の精神」の文化では不十分である。在日同胞が和合して、日本の精神文化の飛躍に務めていただきたい。

 在日同胞が、日韓、日朝、南北の怨讐関係解消の主役になれる。日本、韓国、北朝鮮の三カ国に通じる利点があるのは、在日同胞だけである。現在、日本、韓国、北朝鮮、この三国は怨讐関係にある。和合に成功して一体化した在日同胞が三国の仲立ちとなれば、日韓友好、日朝友好、南北友好の架け橋となれる。その役割を果たせるのは在日同胞しかいない。

 在日同胞の使命をまとめると次のようになる。在日同胞自体の和合、日本への貢献(平和国家日本創造)、祖国統一(真の南北統一促進)、日韓和合促進、北東アジア共同体形成、世界平和への貢献、新文明創造である。

(『友情新聞』2012年10月1日号より)

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 次回は、「在日同胞が主体勢力となって」をお届けします。


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