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心情開拓
心霊を育てる生活原則(81)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

4 復帰歴史に見る生活原理
(1970年1121日)

▲李耀翰先生

【モーセ路程】
信仰基台と実体基台

 殺害を中心とした信仰基台と実体基台、すなわちモーセ一人に対して情的に結んで出たのなら、21日間でカナンに着くはずだったのです。それが不平によって路程が21カ月間になり、カデシバルネアまで出ました。そこで12名の斥候を各支派から選んで、カナン偵察に40日間送ったのです。

 21カ月間に、水がないとか、食べ物がないとか、そういうことで相当事件が起こりました。これを見ると、あまりにもイスラエル民族は愚かな者のように見え、「私たちならこの民族みたいには行かない」と思うのですが、これは縮めて、一遍に考えるからそうなのです。実際は、私たちも同じなのです。3年間歩いたその路程を、一遍に考えてみてください。3年間歩みながら、どういうふうに心配し、どういうふうにうれしがり、どういうふうに感謝したか。縮めてみれば、私たちも、イスラエル民族と違わないのです。

 そのイスラエル民族の路程を通じて、私たちは蕩減(とうげん)の仕方とか、自分というものを発見できるのです。これは自分だと思えば間違いないのです。私たちは、つらかったら「つらい」と言うし、うれしかったら感謝するし、「もう過去は知らない、自分が今までやってきた内容に責任をもたない、とにかく今良ければいい」、こういう考え方、情的授受をしながら行っては、内的に成長できないのです。それ以上行かれないということは確かです。

 そうしてみると、神はイスラエル民族と3回因縁を結ぼうとしたのに、イスラエル民族は3回失敗しました。出発当時に、災禍を中心として因縁を結んだなら、再び不平を言ってはいけないのです。それから紅海を渡ったのと、マナとうずらと、岩を打って水を飲ませたのと、こういうことによって因縁を結ぼうとしたのです。ですから、どんなことがあっても、命懸けで行かなければならないのです。そういう者が、三大奇跡を見ても不平を言えば、基台ができないのです。それで、石板を中心として行くようになったのです。

 それ以上期待できない、もう資格がない、一度ならず、二度三度、「この民族を連れては、もうモーセを中心として成功しにくいなあ」と神様が思ったから、石板を中心として、第二後孫を予備しなくてはならなくなったのです。

 パロの心をかたくなにした理由は、それも「原理」にあるように、神とイスラエル民族の心を結びながら、神の主権とか、能力を現すためであり、神と民族が接触するのが目的です。それとパロ王を自然屈服させる目的、これが信仰の一番の生命線になるのです。

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 次回は、「敵愾心(てきがいしん)の必要性」をお届けします。


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