アングル~情報戦に勝て。44
「世論」から「輿論」へ

 ポピュリズムとは、「大衆に迎合しようとする態度」(デジタル大辞泉)である。
 大衆あるいは世間一般の大多数の賛同が得られている意見のことを指して「世論(よろん/せろん)」というが、時に世論は特定の者たちによって操作され、つくり出される。一国の行く道を決定する立場にある者たちがポピュリズムに陥ればどうなるだろうか。

 今回紹介するのは、世界日報1129日付「メディアウォッチ」欄の「テロを容認しない『輿論』を起こせない首相、細野氏が産経で代弁」の見出し記事。

 「世論」に対して「輿論(よろん)」を区別して使う場合がある。
 記事は、佐藤卓己・京都大学教授の「『輿論』は正確な知識・情報をもとにして、議論と吟味を経て練り上げられるべきものに対して、『世論』はたぶんに情緒的な感覚、日本語でいえば『空気』のようなものである」(ブログ「慶應MCC 夕学リフレクション」より)という見解から引用する。

 意図的につくり出された世論は論外だが、一国のかじ取りを担う指導者の皆さんには決して「世論」のみに流されることなく、「輿論」の形成の重要性に目覚めて果敢に挑戦していただきたい。

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