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進化論から新創造論へ 9

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「進化論から新創造論へ」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 人間の祖先は本当にサルなのか? 統一思想からの提案は、科学的真理のように装ってきた進化論の終焉(しゅうえん)を告げる!

統一思想研究院 李相軒・編著

(光言社・刊『ダーウィニズムの誤りと統一思想からの提案 進化論から新創造論へ』より)

現代進化論に至る道

(8)総合説の誕生
-ダーウィン+ド・フリース=総合説-

 モーガン一派によるシュウジョウバエの突然変異の研究の結果、遺伝子の変化による突然変異は必ずしも大きな飛躍をもたらすものではないことが明らかになりました(図7参照)。したがって突然変異説とダーウィンの自然選択説は互いに相容れないものではないと考えられるようになったのです。


 イギリスの統計学者フィッシャー(R. A. Fisher, 18901962)や、遺伝学者ホールデン(J. B. S. Haldane, 18921964)さらにはアメリカの遺伝学者ライト(Sewall Wright, 18891988)等は遺伝の問題を数学をもって分析しました。その結果、突然変異は進化の第一要因ではなく、進化の速度と方向はほとんど自然選択によって決定されることがわかったといいます。

 そこでダーウィンの唱えた自然選択説とド・フリースの唱えた突然変異説を結び付けて進化を説明しようとする立場が生まれました。これが総合説(synthetic theory)です。総合説はワイズマンの場合と同様に、ネオダーウィニズムとも呼ばれていますが、今日ではネオダーウィニズムといえば、総合説を指す場合が多く、ネオダーウィニズムと総合説は、ほとんど同義語として用いられています。

 総合説を確立した代表的人物は、イギリスの生物学者ジュリアン・ハクスリー(Julian Huxley, 18871975)、ロシア生まれのアメリカの遺伝学者ドブジャンスキー(Theodosius Dobzhansky, 19001975)、ドイツ生まれのアメリカの動物分類学者エルンスト・マイヤー(Ernst Mayr)、アメリカの古生物学者シンプソン(George G. Simpson, 1902-)等です。総合説の名付け親といわれているハクスリーによれば、進化とは要約すれば次の二つの内容に帰するといいます(*6)。

①突然変異は進化の素材を与える。
②自然選択が進化の方向を決める。


▲ジュリアン・ハクスリー

 ハクスリーは、“突然変異は偶然的かつ、あらゆる方向にでたらめに向かうものであり、進化の素材を与えるにすぎない。そして大部分の突然変異は生物にとって有害だが、その中でわずかばかりの有益な変異を持った生物が生存競争によって生き残る。すなわち自然によって選択される。その結果、生物にとって好ましい変異が次第に育っていく”と主張しました。

 今日では、DNAにおける塩基配列の乱れが突然変異の原因であるということが定説となっています。フランスの分子生物学者モノー(Jacques L. Monod, 191076)は突然変異の原因として次のようなものを挙げています(*7)。

①ひとつのヌクレオチドの対(ペア)が他の対に置換される。
②ひとつあるいはいくつかのヌクレオチド対が欠損するか、あるいは付加される。
③まちまちな長さのDNAが倒置されたり、繰り返されたり、転置されたり、融合されたりして、遺伝暗号のテキストがいろいろなぐあいに《かきまぜられる》。

 《ヌクレオチドとは、塩基、糖、リン酸からなるDNAの構成単位であるが(前回の図6参照)、ヌクレオチドの一対がDNAの二重らせん構造のはしごの一段となっている。》

 現代の総合説に至るまでの進化論の歩みを大まかに、図8のようにまとめることができます。


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*6 Julian S. Huxley, Evolution in Action, 1953.
 長野敬・鈴木善次訳『進化とはなにか』講談社ブルーバックス、1958年、74頁。

*7 J. L. Monod, La Hasard et la Necessite, Editions de Seuil, Paris, 1970.
 渡辺格・村上光彦訳『偶然と必然』みすず書房、1972年、131頁。

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 次回は、「現代進化論(ネオダーウィニズム)は間違っている」をお届けします。


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