平和の大道 6
現実問題解決の根本方策

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

 人類は有史以来、恒久平和を求めて、現実問題を解決すべく、歴史上様々な試みをなしてきたが、ことごとく失敗している。また、多くの宗教家や思想家が現れ、宗教的・思想的な試みもなされてきたが、成功しているとは言えない。

 共産主義もキリスト教も既存の諸宗教も米国流の民主主義やグローバルな資本主義も、現実問題の根本的な解決策にはならないことは今や明らかだ。なぜ現実問題の根本解決はこれほどまで難しいのだろうか。

①人間自体の矛盾性
 不完全な人間によって構成されている現実社会では、個々の現実問題は、不完全な諸要素・原因が複雑に絡み合っているため、政治・経済等の個々の解決策を次々に打ち出したとしても、所詮は対症療法の域を出ることはできず、すぐに限界に行き当たる。

 古代ギリシャの哲人プラトンは、『国家』(プラトン著、藤沢令夫訳、岩波文庫)の中で、現実の人間社会を「巨獣」に例えている。「巨獣」とは、一般社会、国家またはその社会的通念(一般常識)のことを言う。その巨大な力を前にして巨獣に平伏し誰もそれを制御することができない。ただ巨獣の言うままに、巨獣が善とするものを善とし、悪とするものを悪とし、それに従わざるを得ないとまで言っている。聖人・偉人と言われる人ですら「巨獣」に例えられる現実社会の悪魔的な巨大な力の前に無力にならざるを得ないという暗示でもある。

 人間の存在自体が、根本的矛盾性・不完全性を内包するため、個々の人間の拡大型である人間社会(家庭、国家、世界)が、さらに増幅された矛盾性を構造的に内包しているということだ。

②矛盾性の根本解決
 それゆえ、現実問題の根本解決は、まず人間自身の矛盾性を解決するところから始めなければならない。その使命を果たそうとしてきたのが宗教である。しかし、既存の宗教ではその力がない。

 さらに、実践面において、真の平和は、政治家のみ、経済人のみ、宗教指導者のみ、あるいは学者のみによって成し遂げられるようなものではない。彼らの努力を結集して平和をつくり出すための包括的なアプローチ・組織・運動形態が必要になってくる。

 既存の宗教・思想の限界を超克した新しい宗教・思想による理念に基づいて、個人と社会全体の問題を一括的に解決できる根源的・包括的手段(組織、運動)を駆使する以外に解決の道はないという結論になる。

 しかし、今までに現れた既存の宗教・思想は、この「人間自体の矛盾性を根本的に解決して、現実問題を包括的に解決する」ということに関して、理論と実践において結果的に無力であったと言うことができる。

 既存の宗教・思想の根本的欠陥のひとつは「何々をしなければならない」と言うばかりで、「なぜそうしなければならないか」という理論的根拠付けが曖昧であったため、説得力が弱く、人々を確固たる信念にまで高める力が弱かったため、現実を根本的に変革するパワーにまではなり得なかったと見ることができる。

 さらに、その理論に基づいて、包括的かつ統合的な組織を作り、理想実現の運動を世界的な次元で展開する力が弱かったとも言うことができる。今の国連がその例である。

 繰り返して強調するが、既存の宗教・思想の理論と国際的組織の実践面での欠点を根本から解決できる「新しい宗教理念・思想」と、それに基づく世界的な「包括的・組織的な平和運動」による以外に「現実問題の根本解決による平和の実現」という課題は解決することができないという結論になる。

③包括的解決プロジェクト
 言い換えれば、人類全体の共通目標となる夢のある理念と理想世界実現の具体的なビジョンを提示することができ、世界平和に関する様々な組織や運動を再構築したり、全く新しい組織を創設することができ、そうすることで世界的な現実問題を根本的かつ包括的に解決できる、そのような「ビッグプロジェクト」がなければならないということである。

 その次に、今の国連を国家間の利害対立の場から、それを超えた国連へと変革する必要がある。それができなければそれに代わる国際組織を作らなければならない。

 さらに、世界平和のための世界的な諸活動を具体的に実践するには、世界的な「政党的組織」も必要である。これらが相互によく協力して活動する時に、世界の諸問題が解決されていき、平和の世界が現実のものとして現れてくる。「国際ハイウェイプロジェクト」は、理念、活動形態、組織、現実的効果等、これらを包括的に満たすことができ、世界平和実現を可能とする歴史的一大事業である。

 次回からは数回にわたって「国際ハイウェイプロジェクト」の「世界平和に対する現実的効果」について論じる。

(『友情新聞』2011年11月1日号より)

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 次回は、「国際ハイウェイの現実的価値」をお届けします。


◆『平和の大道 ―国際ハイウェイ・日韓トンネル―』を書籍でご覧になりたいかたはコチラへ(韓国語版もあります)


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