平和の大道 5
「平和」を哲学的に考察

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

 日韓トンネル・国際ハイウェイプロジェクトが世界平和実現の核心的プロジェクトであることを理解するために、「世界平和に対する国際ハイウェイの摂理的・現実的意義」について今回から数回にわたって論じることにする。そのために、まず、平和とは何かということを哲学的に考察する。

現実問題の根本解決と世界平和

①平和はつくり出すもの
 人類は有史以来、平和実現という夢を果たすため不断の努力を傾けてきた。時には平和のための条約や協定を締結すること、時には国連のような国際平和機構を創設するなど可能な限り努力を傾けてきたが、今日その国連でさえ宗教間の紛争、国家間の衝突、人種間の葛藤問題を克服できずにいる。人類の歴史をかけたあらゆる人間の試みにもかかわらず、戦争は終わることなく続いており、人類に恒久平和は実現されていない。

 しかし、世界平和は夢として終わるのか、実際にこの地上に実現することができるのか、どちらになるかは、ひとえに人類の意志と努力いかんにかかっていると言える。

 あの有名なプロイセン(今のドイツ)の哲学者イマヌエル・カント(17241804)は「人間にとって自然なのは戦争状態であって、平和は創設されなければならない」という趣旨を述べている。1795年に『永遠平和のために』の著作が出版された。カントはここで人間の尊厳性に基づいて永久平和を論じている。

 「人間は、尊厳性がある以上、常に『目的』として扱われるべきで、『手段』ではありえない。人間を手段として取り扱う戦争は、国家間、個人間、大小にかかわらず道徳上悪であって、目的そのものである人間の尊厳性を壊し自由を損なう。したがって『戦争はあるべからず』というのが実践倫理の絶対的命令である。戦争のない永久平和は人間の到達すべき義務であるから、人間は努力しなければならない」と言う。

 『永遠平和のために』は、殲滅線を防ぎ、永久平和の展望を開くために六つの条件を挙げている第1章(永久平和のための予備条項)と、永久平和が実現するための具体的な三つの条件を挙げている第2章、永久平和の保証について述べられている第1補説、永久平和のための秘密条項と題された第2補説、政治と道徳の一致について扱った付録からなる。

 常備軍廃止、共和制の国内体制、独立した諸国家からなる国際連合等の具体的方策を提案している。国際連盟や国際連合創設にカントの提案が理論的根拠を提供したと言われている。

 「平和をつくり出す人たちはさいわいである。彼らは神の子と呼ばれるであろう」(新約聖書マタイによる福音書59節)はイエス・キリストの「山上の垂訓」の一節である。平和というものはただ願ったり言葉で唱えたりするだけでは達成できるものではなく、誰かが行動を起こし、勇気を持って進めていかなければ決して実現しない。つまり、平和はすべての現実問題を解決できる能力、意志を持った神の子と呼ばれるほど傑出した人々が現れて、努力してつくり上げていけば可能であるという希望のメッセージである。

②世界平和実現の前提条件はすべての現実問題の根本解決
 恒久平和実現に関してはっきりと認識しなければならないことは、「すべての現実問題の解決」という前提条件があるということだ。個人や家庭、国家や世界、そして霊界に至るまでの諸問題を根本的に解決してこそ、平和な世界が現れる。

 2009年29日、文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は「政党、宗教、人種、文化、そして国家間の和合と平和を探したてるにおいて…(略)…新しい次元の父母国連、すなわち平和国連を中心として、戦争、疾病、飢餓など、世界の全ての問題を解決していくのです」と宣言された。

 すべての現実問題解決の確実な方策が立てば、平和世界実現が可能であることを唱えられている。それは、新しい理念と組織と運動の創設を意味する。

(『友情新聞』2011年10月1日号より)

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 次回は、「現実問題解決の根本方策」をお届けします。


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