シリーズ・「宗教」を読み解く 21
宗教は神に至る道

ナビゲーター:石丸 志信

 先日、ある青年集会で、宗教理解のためのパネルディスカッションを行った。イスラーム、神道、キリスト教、三宗教の代表がそれぞれの伝統と本質を伝え、相互理解の可能性を青年たちに示すものであった。

 三人の代表が、共通して語ったことは、「宗教は道だ」ということだった。伝統的なキリスト教の要理でも「宗教とは神に対する人の道」と表現している。さらに、「宗教によらなければ、人の道を全うできず、真の幸福が得られない」と教える。

 神の視点に立てば、堕落した人間を救済するために立てたのが宗教だということになる。神が人類に手を差し伸べ、その懐に連れ帰るための道だということになろう。

 神は、人種や言語、文化、あるいは心霊基準に応じて、さまざまな宗教を起こした。しかし、どのような経路をたどったとしても、それらは、最終的に一つのゴールに向かっているものと言える。
 そのゴールをはっきりと見据えていなければ、世界の諸宗教の相互理解を促進し、一つの道に合流するよう導くことは難しい。