コラム・週刊Blessed Life 22
Heal The World」と人類一家族理想

新海 一朗(コラムニスト)

 「世界を癒やそう。もっと良い世界にしよう」と歌ったのは、世界的なポップスター、マイケル・ジャックソンでした。
 「Heal The World」のタイトルで大ヒットしたマイケルの歌が聴く者の心を癒やし、世界に平和を築こうと呼びかけたマイケルの気持ちは今も変わらず人々の心を捉えているように思われます。

 今は亡きマイケル・ジャックソンですが、「君のために、僕のために、そして全人類のために、世界を癒やし、より良い世界をつくり上げていこう」と歌った彼のメッセージは、色あせることなく、ますますその平和への思いは大きなものとなり、深いものとなりつつあります。

 「Heal The World」の曲をそのようにクローズアップさせるのは、現実の国際情勢の厳しさです。お互いに譲り合うことなく、激しく自国の利益を主張し合ってぶつかる国々の姿は、世界平和がいかに難しいかを思わせます。

 特に、国力(経済力、軍事力)の大きい国家、もしくは国家群がどういう関係に立つかが、世界の平和にとって重要な鍵を握ります。

 現在、アメリカと中国は貿易戦争に入っており、相手国からの輸入品に関税をかけるという応酬合戦が始まっています。もう一つ、アメリカと中国の間には、北朝鮮をどちらが引き寄せるかという壮絶な戦いが水面下で進行しているとみてよいでしょう。

 EU(欧州連合)とアメリカの間にも貿易を巡る衝突が始まっています。中国の場合もEUの場合も、アメリカが巨大な貿易赤字を抱えていることが、トランプの心に巨大な貿易赤字の損失という不条理に怒りの炎を燃え上がらせ、その解決に立ち上がらせたわけです。

 アメリカは、この時点で、貿易に関して言えば、中国とEUを相手に戦っていることになります。結局、マイケルの「Heal The World」から見れば、経済的利害関係が大きく平和を阻害する要因になり得るという現実の姿を見せつけられたことになります。

 経済的貪欲を超えて、「与えて共に豊かになる」という、いわば、マイケル的な人類一家族理想の考えを共有することができれば、平和実現への道が一筋の光として見えてくるに違いありません。

Michael Jackson - Heal The World (Official Video)より