https://www.kogensha.jp/shop/detail.php?id=4099

信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(73)

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼(キム・ウォンピル)先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

第二部[講話集]生命と愛と理想を懸けて
一、何よりも神のものを愛する

▲金元弼先生

ルツとナオミの物語

 異邦人の女が、イスラエル民族の血統を、なぜ引き継ぐことができたのでしょうか。

 イスラエルは、選ばれた民族です。その民族の血統を異邦の民が、どのようにして受け継ぐことができたのでしょうか。

 皆さんは、よくアベルとカインの話をします。たまにはアベルがアベルを生むこともありますけれども、カインを生むこともあります。反対に、カインがアベルを生むこともあるのです。人間は、もともとアベルの立場にいたのですが、堕落することによってカインの立場になったのです。人間が堕落しなければ、カインという子供を生むはずがないのです。

 そこで、堕落していない立場をアベルという立場で考えてみた場合には、アベルを生まなければならないアベルが、カインの子供を生むようになったのです。堕落した人は、カインの立場にいるのです。その人が蕩減の道を通じて復帰された場合には、どんな立場に帰るのでしょうか。復帰されたアダムとは、何ですか。それはアベルの立場です。つまり、カインがアベルの子を生むということになるのです。

 メシヤは、アベルとして人類の前に現れます。私たちはカインの立場ですから、アベルを通じてアベルの立場に帰りたいのです。アベルを通じて復帰されたカインというのは、アベルの位置に帰るのです。メシヤを受け入れた人から見れば、まだ受け入れていない人は、カインの立場になります。しかし、アベルの立場にある人でも、落ちていくことがあります。落ちていって子供を生めば、どういう子を生むのでしょうか。

 次にカインの立場にある人でも、アベルを通して復帰された場合には、アベルの立場に立つのです。子供を生めば、アベルの子供を生むようになります。

 例えば、イスラエル民族をアベルの民族とすれば、それ以外の民族は異邦の民、カインの民族となります。神がイスラエル民族を立てた目的は、それを通じて異邦の民族を全部復帰しようとしたところにあるのです。ところがイスラエル民族が神のみ旨を損なった場合には、代わりに第二イスラエル民族を立てなければなりません。それがキリスト教徒です。

 すると第一イスラエル民族から見ると、キリスト教信者は全部、異邦の民族となります。ところが、第一イスラエル民族が使命を果たし得なかった時に、神は異邦民族であるキリスト教信者を、第二イスラエルとして選んだのでした。

 もし、第二イスラエル民族も自分の使命を果たし得なかったら、どういうことが起こるでしょうか。神は第三イスラエル民族を訪ねなければならなくなります。第二イスラエル民族を中心として見ると、第三イスラエルは異邦の民族の関係になります。第一イスラエル民族が、イエス様を中心とする群れを異端視したのと同じように、第二イスラエル民族も、第三のメシヤを中心とする群れを異端視するようになるのです。

 こういうことを念頭に置いて、聖書を調べてみましょう。イスラエル民族は、エジプトから解放されたのち、士師の時代に入ります。その400年の間に起こったルツの話をしましょう。

 ユダヤのベツレヘムという所に住んでいた人が大変な飢餓が迫ってきたので、妻と二人の息子を連れて、モアブに行って滞在することになりました。その人はエリメレクといい、妻はナオミといいました。ところがモアブに滞在中、夫は死に、二人の息子はモアブの女を妻に迎えました。モアブ人は異邦人です。そのうちに二人の息子も亡くなり、ナオミは二人の嫁と連れ立ってベツレヘムに帰ろうとしました(ルツ一・六)。

 その途中で、ナオミは二人の嫁に話し掛けました。「お前たちは、生みの母のところに帰るように」と勧めました。けれども嫁たちは泣きながら、ついていくことを約束します。ナオミはもう一度、同じことを言います。その時に、兄の嫁は別れの接吻をして自分の家に帰るのですが、弟の嫁のルツだけはついていくのです。ナオミはさらにもう一度、家に帰るようにとルツに勧めます。ルツはそれをも受け入れなかったので、彼女を連れてナオミは自分の故郷に帰りました。

 ナオミは非常に貧しく、食べる物も十分でなかったのです。故郷に帰ったのはちょうど収穫の時でした。ナオミには夫の親戚で、エリメレクの一族に属する一人の有力者がいました。ボアズといいます。嫁のルツがナオミの許可を得て落ち穂拾いに出掛けますが、はからずもボアズの畑に来ていました。それで彼女が落ち穂を拾っているところに、ボアズが地方から帰ってきて、若い下僕たちに、「これは誰の娘ですか」と聞きます。ナオミの次男の嫁だと分かり、ボアズの親切で、ルツはたくさんの落ち穂を拾うことができました。

 そんな中で、ナオミは嫁のルツに、非常に難しいことを話します。ルツ記第三章一節から見ると、収穫の夜、「あなたは身を洗って、ボアズの寝る場所を見定めて、ボアズの寝所にひそかに入って、その足元に寝なさ

い」という内容があります。女としては、これは大変難しいことですが、ルツはナオミの言うことを絶対的に信じて、そのとおりにしました。

 それでルツがボアズの妻として迎え入れられるようになり、ユダの長老たちの祝福を受けて結婚します。ルツは一人の子供を生みました。名をオベデといいます。オベデはダビデ王のおじいさんに当たります。ですから、イエス様やヨセフの血統もルツから出てくるのです。

 こういう話をするのは、異邦人であるルツが、いかにしてイエス様の先祖の血統、イスラエル民族の血統を受け継ぐ祝福を受けたのかを知るためです。

---

 次回は、「イスラエル民族の血統の相続」をお届けします。


◆『信仰の伝統』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ