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心情開拓
心霊を育てる生活原則(71)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

4 復帰歴史に見る生活原理
(1970年1121日)

▲李耀翰先生

【モーセ路程】
モーセの実体基台

 実体基台でモーセ路程は、3回目にカナンに入ったのですが、第一次出発、第二次出発は失敗して、第三次出発はヨシュア、カレブ二人で、カナンに入るようになりました。1回目は、400年末になって、イスラエル民族はもう実り、死んでもいいからパロ主権から解放されなくてはいけないと、民族全体が情的にそう思う時が来ていました。

 あまりに迫害され、男の子が生まれたなら殺されました。モーセを生んで水に流したので、「モーセ」というのは水から救い上げたという意味です。モーセは40歳ですから、40年間イスラエル民族は、男の子を生んだら殺され、女ばかり生かして、奴隷生活をしていたのです。もうエジプトにこれ以上いることができなくなったと、断念しているのです。

 モーセがエジプトの監督を殺害した事件があります。原理的に、初めて他殺事件が解釈されたのですが、殺害した理由とは何でしょうか。

 神の摂理はいつも、一つの事件をもって過去、現在、未来の蕩減(とうげん)をするのです。蕩減という一つの条件に、あらゆる性質が含まれていることが、ここではっきりしますが、イスラエル民族の前にエジプトの監督を殺害したというのは、子供にでもモーセという青年は、愛国者だということを、明らかにしたのです。

 あまり迫害を受けるから、殺害した当時のイスラエル民族は全部、宮中にいるモーセという青年は愛国者だということが知れわたり、イスラエル民族側ではモーセを尊敬したはずです。だから、どうしてあの人は殺したのだろうと思ったり、モーセはどういう人間かという内容を知らなくても、当時のイスラエル民族は、モーセを尊敬しなくてはならない条件になったのです。

 モーセは、秘密にしていたのだから、そのことはイスラエル民族しか知らないのです。モーセの秘密を、イスラエル民族全部がモーセの立場で隠してやらなければならないのです。隠してやるのは、イスラエル民族全体がエジプト人をとても憎んでいたから、敵愾心(てきがいしん)をもっているから、その敵を殺してくれたのだから、私たちのためにモーセが人を殺してくれたのだと思うからで、必ず情的に尊敬すべきだったのです。歴史的理由があったのです。

 サタンから絶対、讒訴(ざんそ)を受けてはいけないのです。神は讒訴を受けるような奇跡や審判はされません。のちに、モーセが磐石を打ったのも、歴史的条件があるのと同じく、サタンも神に対して、条件なしには絶対動けないし、神もサタンの条件なしには、奇跡も何も起こすことはできなくなっているのです。

 殺害に対しては、カインがアベルを殺したため、サタンは歴史的な犯罪人だから、何も言えません。自分のやったことを知っているから、霊界では物が言えないのです。地上では文句を言いますが、霊的には何も言えないのです。パロ王に捕まえられたら死刑になるかもしれませんが、霊的には何の条件もありません。

 ヤコブも、霊的には条件に引っ掛からないようにして働いているのです。何を見て分かるかというと、21年間働いて、自分の財産を持って出る時、ラバンに言うのに、「この財産の中にラバンのものがあるか調べてみてください」と。約束どおり黒点のある羊ばかりもってきているのです。天の前、サタンの前、良心、そして霊界の前に、条件に引っ掛からない働きをして、3日前こっそり逃げてきたけれど、内容は正しい生活をしていたのです。

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 次回は、「モーセがエジプトを打った理由」をお届けします。


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