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青少年事情と教育を考える 213
「産後パパ育休」を開始

ナビゲーター:中田 孝誠

 10月から「産後パパ育休」(出生時育児休業)という制度が始まります。
 育児・介護休業法が改正され、従来の育児休業とは別に、子供の出生後8週間のうち4週間まで取ることができるようになります。

 また、現在の育児休業制度は子供が1歳まで取ることができます(事情があれば2歳まで延長可能)。
 分割して取ることはできませんでしたが、10月からは分割ができるようになり、事情があれば再度取得することも可能になります。
 つまり、子供の状況などにより父母が柔軟に対応できるようになるというわけです。

 ユニセフ(国連児童基金)は、日本の父親の育休制度を世界でもトップレベルと評価しています。
 しかし、実際に取得する父親が少なかったため、政府は父親の育児休業取得率を2025年までに30%にするという目標を掲げています。2021年度の時点では13.97%で、目標にはまだ遠いですが、9年連続で上昇しています。

 専門家の研究では、父親が子育てに関わると、父親の中に愛情ホルモンが増えて子供との関係が深まります。
 いわば父性のスイッチが入るわけです。もちろん母親の育児のストレスが少なくなり、夫婦関係が良くなることが期待されます。

 以前も書きましたが、児童精神科医として40年以上、多くの親子と接した佐々木正美氏は、子供が社会的存在として育つためには家庭に母性的なものと父性的なものの両方が必要だと語っています。

 母性性というのは「家庭の中で子どもや家族を受容、許容、承認する力」、言い換えると「安らぎ、憩い、くつろぎの体験」を与えるものです。
 父性性は「子どもの成長にしたがって、さまざまな規律、約束、義務、努力を教える」ものです。

 そして、母性性と父性性は母親と父親がおのおの単独で営むものではなく、夫婦が協調することで優れた働きができると強調しています(仮に一人親でも、母性と父性の働きを一人で担うことができれば子供は健全に育つと佐々木氏は述べています)。

 父親が育休を取ることは、子供のより良い成長のために父母の役割を果たし、それが母親の育児ストレスを改善することになるというわけです。