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心情開拓
心霊を育てる生活原則(67)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

4 復帰歴史に見る生活原理
(1970年1121日)

▲李耀翰先生

【ヤコブとモーセとイエス様の路程】
ヤコブ路程の訓練は善悪分立

 私が神学校にいた時は、旧約聖書が取り扱いにくくて、旧約聖書を専門とする人がいないのです。日本で一番有名な渡辺善太という人が書いた、アブラハム路程、創世記、出エジプト記を読んでも、イエス様までどういう意味で連続しているか全然知らないのです。旧約は旧約、新約は新約で、全然別と思っているのです。摂理上どういう関係をもっているか考えられなかったのです。ただ歴史上の人物なので聖書は取り扱っていると思って、未来に対して、どういう教訓を含んでいるのか、全然発見できなかったのです。

 ラケルは、偶像を自分の下に敷いて座って、「メンスで立つことができない、血を流すから」と言って、血でもって占領しました。アダムの家庭で結ばれたものを、この夫婦が解くのだとは、全然考えられなかったのです。今、堕落論が解かれてみると、原因はアダムの家庭にあったのを、この夫婦が責任をもって解くのだな、と分かったのです。堕落した先祖が結んだものを、ヤコブとラケルが解いて、自分が勝利者となって、ラケルは勝利したエバとして立ったから、12人の息子を生んで、アダムの家庭から12代を一家庭で、主な信仰人物を一時に復帰したのです。

 神の摂理は、人間が責任を果たさないと、神の目的を果たせないということを、この路程で、明らかに見ることができます。また、もしある人ができなかったら、他の人を予定しなくてはならないということも、アブラハム、イサク、ヤコブを通じて見ることができます。また、歴史的なものを、祖先たちがみな成功した基台の上に立てて、ごく少しだけ条件を立てたならば全歴史を相続する立場に立ち、失敗した場合には、大きな蕩減(とうげん)をしなくてはならないということも、見ることができます。

 そしてヤコブ路程は、善悪の分立を一番の教訓にしています。ヤコブが21年間、アダムの家庭の立場に立ってサタンと戦うのを見ると、分立思想がヤコブに徹底しているということも、私たちの教訓になります。

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 次回は、「象徴、形象、実体」をお届けします。


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