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心情開拓
心霊を育てる生活原則(66)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

4 復帰歴史に見る生活原理
(1970年1121日)

▲李耀翰先生

【ヤコブとモーセとイエス様の路程】
信仰路程を明らかにしたヤコブ路程

 アダムの家庭、ノアの家庭のことを知らなければ、歴史的内容も分からず、アダムの家庭から犯した罪の内容も分かりません。私たちは原理的にアダムの家庭から説明するから、アダムの立場はああだこうだと言いますが、結局、何も知らないのです。血統的にも知りません。カインもアベルも、自分の血統的内容を知りません。自分の三代以前、自分の父は少し知っているかもしれませんが、三代、四代、五代、六代、七代までさかのぼってみると、全然どういう血統であるか知りません。

 知らないけれども、大先生がこの間おっしゃったように、知っています。「知らないけれども知っている」と、大先生は笑い話のように言われたけれども、自分は神を知らないようでありながら、知っている。知っているように創造されているのです。血統を知らないようで知っているというのは、自分の本心の方向性が人と違う、欲望が違う、愛着心が違う、何か、とにかく違うというのです。

 私たちの聖歌を聞いて、相当何かを感じる人、あるいは、「原理」の全部は分からないけれど、とにかく何か関心をもてるというように、情が先です。知よりもまず情が先だということは、本性が、方向や自分の行くべき道を知っているということです。感じるというのは、知っているからそう感じるのです。

 信仰の中心人物たちが、その当時の歴史を担当するようになったのは、神から、お前は歴史を担当しなくてはならないと教育されたのではなく、何か自分が責任をもたなければならないような気がしたのです。自分のことではないにもかかわらず、国家問題が心配で夜も眠れない、これは、知っているからです。知っている状況です。

 生理的にいえば、時計を見なくても、腹が減ったことから、何時だと分かるのです。眠いというのも、これは知っているのです。ずーっと、知っているのです。眠らなくてはならない時を、ちゃんと知って、「眠れ!」という命令が来るのだから、自分は一生懸命仕事をやっても、どうもあくびをしたり、体の具合が悪い、これは「休ませよ」と命令が来たのです。

 それと同じく、気持ち、すなわち情的なものがアンテナのごとく、ずーっと未来を知っているのです。歴史を知っているのです。優れた人は、現在を超越して見るのです。人から見た時には、愚かに見え、「あの人は変だ」と思うかもしれません。

 モーセもイエス様も私たちも、人類はだれしも天使長の愛で占領されたこの血統を、ヤコブのようにもう一度つくり直さなくはならないという意味で、基台人物路程を歩かなければならなくなりました。ヤコブを通じて、私たちに信仰生活が明らかに紹介されたのです。私たちの行くべき道がどういうものであるか、堕落論も発表しているのです。分かってみれば。

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 次回は、「ヤコブ路程の訓練は善悪分立」をお届けします。


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