神様はいつも見ている 42
~小説・K氏の心霊体験記~

徳永 誠

 小説・K氏の心霊体験記「神様はいつも見ている」をお届けします(毎週火曜日22時配信予定)。
 世界平和統一家庭連合の教会員、K氏の心霊体験を小説化したものです。一部事実に基づいていますが、フィクションとしてお楽しみください。同小説は、主人公K氏の一人称で描かれています。

第7部 霊界と共に生きるわが人生
5.「代案を示せ!」

 文鮮明(ムン・ソンミョン)先生が聖和(死去)された翌年、私は韓国へ行った。
 文先生が霊界へ行かれてから初めての訪韓だった。

 多くの信徒たちが不安な思いを抱えていた。いったいこれから教会はどうなってしまうのか。
 教会の責任者同士で、統一教会(現・家庭連合)の将来についていろんな話をしながら、その夜私は眠れなくなってしまった。

 夜中の1時になっても、2時になっても、3時になっても、眠れない。昼間話した内容が次々と思い出された。
 その内容は決していい話ばかりではなかった。
 すると、3時過ぎになって、私の腹の底に聖和された文先生の大きな怒鳴り声が響いた。

 「不平不満を言うな! 不平不満を言うんだったら代案を示せ!」

 その声を聞いて私は驚き、身震いをした。そして覚醒した。
 私は考えていた。すでに心に確信している内容はあったのだ。

 私は帰国後、これからの統一教会の活動について、自分なりに考えた「代案」を本部に提出した。

 その中心となるテーマは「氏族メシヤ活動の本格化」だった。

 「氏族メシヤ活動を通して信仰の子女や孫を愛して、愛の伝統を立てなければならない。み言の生活化をしていかなければならない」

 間もなくして私は、地方の教区長から本部に人事異動となった。
 20133月、私は氏族メシヤを推進する部門の役職を務めることになったのである。

 私は、社会に認められる活動をするためには、まず氏族メシヤとしての実績を積まなければならないと考えた。

 氏族のさまざまな問題解決のために手助けしたり、地域に貢献したりする社会活動を通して、統一教会の伝統精神である「為(ため)に生きる生活」を実践し、人々から信用と信頼を得なければならない。
 自分たち自身が氏族メシヤとして、家族間はもちろん、実体を通して社会に影響を与えられなければならない。

 担当責任者を務めて痛感したのは、現場でその実体のモデル、理想の家庭がまだまだできていないということだった。

 「一日も早く氏族メシヤ活動のモデルをつくらなければ…」

 私は焦るような思いで日々を過ごしていた。

 そんな時、人事異動が発令され、私は四国に赴任することになった。3年が過ぎていた。
 ならば私は四国で氏族メシヤ活動のモデルをつくろう、そう考えた。

 それから2年が過ぎ、試行錯誤を経ながら、市単位のレベルで「真の家庭運動」を推進する団体を組織し、行うようにした。
 各市に何家庭かを立てることで、その地域のために基盤をつくるよう整えていったのである。

 「私自身の活動はもういいだろう」

 私自身は、両親、兄弟、親族の多くを祝福に導いていたので、自分の氏族メシヤ活動はやらなくても大丈夫と過信していた面があった。
 自分の氏族メシヤ活動よりも、四国の教会員たちの氏族メシヤ活動をサポートしようという考えを持っていたのである。

 2018年を迎えたが、その頃から、体調に異変を来すようになった。
 1年ほど前から体調が悪いことは自覚していた。疲れを感じることが多くなっていた。

 歩いていても、平らな道は平気だったが、坂道を上るときには息切れがして歩くのに困難を感じるようになった。血糖値も少しずつ上がっていった。しかし、まだ大丈夫だろうと楽観視し、行動しなかったのである。

 4月になって3日間、韓国に滞在することになった。そして韓国から帰国したその日、2018423日、私は再び心筋梗塞で死にかけることになる。

 心霊体験記の冒頭の記述はまさにその時の場面から始めさせていただいた。二度目の死の世界からの帰還である。
 可能な限り詳細に記述したつもりだ。まだお読みになっていないかたにはぜひ目を通していただきたい。

 私の心霊体験記も次回の一話を残すところとなった。
 最終話では、希有(けう)な半生を改めて振り返りながら、わが人生の意味を読者の皆さまと分かち合いながら心霊体験記を締めくくりたい。

(続く)

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 次回は、「神と霊界を証しする伝道者」をお届けします。