青少年事情と教育を考える 203
若い世代の結婚願望

ナビゲーター:中田 孝誠

 今月初め、昨年(2021年)1年間の出生数が81万1604人となり、前年から3万人近く減少したことがニュースで大きく取り上げられました(厚生労働省「令和3年人口動態統計」)。
 少子化・人口減少が当初の予測以上に進んでいることが明らかになりました。

 また、結婚件数は50万1116組で、やはり前年より2万4000組余り減少しています(同)。コロナ禍で結婚を延期したカップルが多かったことも要因ですが、結婚自体の減少傾向は過去20年間、ほぼ一貫しています。

 これまで結婚件数が最も多かった1972年が109万9984組ですから、50年で半数以下に減ったわけです。
 少子化が進む原因としても、若い世代の未婚化が指摘されています。

 実際、同じく今月公表された内閣府のデータ(「令和4年版男女共同参画白書」)を見ても、30歳で未婚の人は男性50.4%、女性40.5%です。
 「結婚はできればしたくない」「したくない」という人も、20代は男性19.3%、女性14.0%、30代は男性26.5%、女性25.4%でした。

 30代の4人に1人は「結婚の意思なし」というわけです。
 その理由としては、「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」(男性36.2%、女性48.8%)という回答があります。

 その他では、「結婚に縛られたくない、自由でいたい」(同48.9%、37.0%)、「結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから」(同36.0%、35.0%)は男女とも高く、「結婚という形式にこだわる必要性を感じないから」(同28.6%、41.0%)、「仕事・家事・育児・介護を背負うことになるから」(同23.3%、38.6%)は女性に目立ちます。

 若い世代の未婚化は、特に経済的な理由が大きいといわれています。
 上記のように、結婚は個人の自由を縛るという否定的な声もあります。

 しかし、必ずしもそのように結婚を否定的に捉えるのではなく、むしろ結婚が人生の幸福をもたらすという話は多くあります。

 次回はこのことを取り上げようと思います。