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中和新聞セレクト Vol.4
混迷する現代社会Ⅱ

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
  第4弾は「混迷する現代社会Ⅱ」(21世紀の家族を考える会)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。

 同コンテンツは『中和新聞』2020年5月から連載中のシリーズです。

第13回「性教育」について考える(下)

(中和新聞 2022年6月3日 通巻1467号より)

 このシリーズでは、現代社会が抱えるさまざまな問題点を分析し、社会や家庭における正しい観点(価値観)や方向性を提示します。今回は、前回に引き続き、「性教育」について考えます。

 前回は、自慰行為を「セルフプレジャー」などと言い換え、積極的に推奨する過激な性教育と、世界的に問題視されつつある「インターネットポルノ中毒」について確認しました。インターネットポルノの問題は、キリスト教徒など信仰者にとっても、決して他人事ではありません。

■米国キリスト教会が抱える4つの問題
 長年、米国のキリスト教会で牧会に従事してきたある日本人牧師によると、米国キリスト教会は現在、4つの問題を抱えているといいます。それは、①インターネットポルノ ②LGBTQ(容認傾向にあり)左翼思想の浸透(特に神学校・大学神学部)離婚の問題です。

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 米国のリック・ウォレンという著名な牧師が、牧師だけが200人ほど参加する会議にメインスピーカーとして参加したとき、「この中で、6か月以内にポルノを見た人、正直に手を挙げてください」と言いました。すると、全体の4割に当たる80人ほどが手を挙げたというのです。

 手を挙げた牧師たちは、「パウロの嘆き」と言われる次の聖句を痛いほど実感しているのではないでしょうか。「わたしは、内なる人としては神の律法を喜んでいるが、わたしの肢体には別の律法があって、わたしの心の法則に対して戦いをいどみ、そして、肢体に存在する罪の法則の中に、わたしをとりこにしているのを見る。わたしは、なんというみじめな人間なのだろう」(ローマ人への手紙第72224節)

 天宙平和連合創設者の文鮮明総裁は生前、「正午定着です! 四位基台(家庭)に影があってはいけません。……『私』が正午定着できる母、父になり、夫、妻になり、息子、娘にならなければなりません。……正午定着を生活哲学として、大切にしていかなければなりません」(天一国経典『天聖経』12篇・3章・2節・2)と訴えておられました。

 スマートフォンが普及した現代、信仰者にとって最も「影」となりやすいのが、インターネットポルノの問題なのかもしれません。

 『グローバル性革命』の著者でカトリック教徒であるドイツの社会学者ガブリエラ・クビー女史も、インタビューの中で次のように話しています。「もし私たちが性衝動をコントロールせず、それを克己しないのなら一体どんなことになりますか? 私たちはその強力な衝動の奴隷になってしまいます。つまり、常に性的満足を求めて徘徊を続けるセックス中毒者になってしまうのです」

 現代では「セックス中毒者」に代わって「インターネットポルノ中毒者」になってしまうと言えるでしょう。

 さらにクビ女史は、「私たちはそれぞれ、自らの性的生活をきちんと整え、真の貞節な、そして自己犠牲的な愛に従って秩序づけていく必要がある」と述べながら、私たちに「明瞭な視野を持って物事を見ること」を求め、共産主義思想を背景とした「グローバル性革命」に抗することを期待しているのです。

■高次元の性関係を目指すべき
 1990年代に日本で援助交際が社会問題化した際、エンコーをしている少女たちから、「心にも体にも悪くないし、誰にも迷惑をかけていない。セックスして何が悪いんですか?」と聞かれた臨床心理学者の河合隼雄氏は、はっきりとこう語っています。

 「確かに、心にも体にも悪くないかもしれない。でも、あなたの『魂』に悪い。だから、すぐにやめなさい」

 不特定多数の異性(同性)との性関係が、精神的にも肉体的にも悪影響があることはすでに明らかにされています。それに加えて「あなたの魂(霊人体)に悪い」と親身になって訴えることが、信仰者の務めではないでしょうか。

 河合氏の師でもある心理学者のカール・グスタフ・ユングは、「セックスは天国にも地獄にも通じている」と述べています。

 性関係には、単なる「体」の関係だけの低次元なものから、一生涯のパートナーとの「心」と「魂」の一体化をもたらす高次元なものまであり、「高次元の性関係こそ、私たちが目指すべきものである」と教え諭すことが重要なのです。

 霊界の実存を確信する信仰者なら、低次元の性関係が正に地獄に直結する行為であることは、言うまでもなく理解できるはずです。

 かつて文総裁は、性教育について次のように語られました。「西欧文明圏では、小学校のときから性教育をしますが、それは良くありません。それは、自然に分かるようにしなければなりません。アダムとエバに対して神様が性教育をしましたか。かえって、知らないのが良いのです。分かるような年齢になれば、それが恐ろしいことを教えてあげなければなりません。そして、どれほど貴いものかを教えてあげなければなりません」(天一国経典『天聖経』11篇・4章・1節・17

 幼少期からスマートフォンやタブレットを手にし、動画を当たり前のように視聴する現代の子供たちが、性に関わる情報に一切触れないようにするのは、ほぼ不可能でしょう。ただ、文総裁が強調しておられるように、性(生殖器)の“貴さ”や、それを軽々しく扱う“恐ろしさ”をきちんと教えてあげることが、本来の性教育となります。

 「あなたがたは、以前はやみであったが、今は主にあって光となっている。光の子らしく歩きなさい」(エペソ人への手紙第58節)

 私たち自身や私たちの子女、孫たちが「光の子らしく」、影のない人生を送るために、今後も性教育と真摯に向き合い続けることが必要不可欠なのです。

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 「混迷する現代社会Ⅱ」は、今回で終了です。
 次シリーズは、第5弾「天一国主人の生活」をお届けする予定です。

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