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コラム・週刊Blessed Life 216
プーチン政権の終わりは近い?

新海 一朗

 ウクライナ戦争の形勢は、ロシアの敗色が濃くなっており、プーチン政権の行方が早くも論議される様子が見られます。

 5月9日の対独戦勝記念日では、特別な宣言や方針が発表されたというわけではなく、むしろプーチン大統領の沈鬱(ちんうつ)とした姿が映し出され、犠牲者への黙祷など、当日の行事風景は何か精彩を欠くもので、周辺の取り巻きの様子も重苦しいものでした。

 ウクライナ戦争を勝ち抜くといった高揚感は一切なく、大統領自身がその職務を遂行する気力を見せるでもなく、自らの政権そのものを別のシナリオに移していく準備を始めているかのような印象すら与えているものであったという見方が出始めています。

▲プーチン大統領

 まず、ロシア側から発表された数千人というロシア兵の犠牲者の数はまやかしであり、実際には2万人を超える大量の犠牲者を出していて、これ以上、戦えない状況に追い込まれているという分析が行われています。

 ロシア兵の士気は非常に落ちていて、戦えない状況になりつつあるというのです。
 ウクライナ東部のドンバス地方での戦いなどでは、命令に従わない兵士が出てきて、作戦を思うように遂行できないため、ウクライナ軍の強力な反撃によって、ロシア軍はむしろ押し返されているのが実情であると見られます。

 ロシア国内でも異変が出てきています。プーチン離れが起きており、州知事5人が同時に辞職を願い出たことからも明らかなように、地方から離反者が出ている始末で、これからも次々に州知事たちの反乱が起きるかもしれません。

 さらに、オリガルヒ(新興財閥)の死が連続して起きています。
 発表によれば、すでに7人が自殺したというのですが、それを文字どおりに信じるわけにはいかず、殺されたという見方が強いようです。

 プーチンに従わなくなった経済界のボスたちが粛清され始めたということです。
 5月1日に死体で発見され、54日の報道で明らかになったウラジーミル・リャキシェフの死は、レストランチェーン創業者の富豪の死として騒がれましたが、彼の妻の証言によれば、自殺の可能性はなく、明らかに銃殺されたものであるということです。

 このようなロシア国内の情勢は、プーチン大統領が支持を失い、政権運営が困難になりつつある現実を告げるものであると見ることができます。
 そのことを一番感じているのが、他ならぬプーチン大統領自身でしょう。

 5月9日の映像に突如として登場した人物の姿にロシア国内が騒然となりました。
 それは、ドミトリー・コヴァリョフ(36歳)氏がプーチンに終始一貫して付き添っていたことです。

 彼は大統領府局長を務める人物ですが、あまり表に出てきていない人物です。
 この人物をプーチンは後継者に考えているのではないかという観測が早くも流れ始めています。

 プーチン大統領は、がんの手術のため、近く、入院するのではないかといわれています。
 その際、大統領代行を立てて政務を続行することになるでしょうが、その代行を務めるのが、ドミトリー・コヴァリョフであるという情報も流れています。

 真偽のほどはどうであれ、こういう推測が行われるような段階に立ち至っているという事実が、プーチンのロシアが終わりを迎えつつあるということではないでしょうか。