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信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(51)

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼(キム・ウォンピル)先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

第一部[証言]先生と歩んだ平壌・興南時代
三、興南監獄での伝道

▲金元弼先生

不平不満を乗り越える

 不平不満を乗り越えるには、どうしたらいいでしょうか。さっきもお話ししたように、「リーダーが良くない、アベルが悪い」と言うのは、自分がアベルの前に、神の前に、カインの立場として、それほどに悪いということを知らせるものです。そうせずに、アベルをもっと助け、感謝の心で行くならば、その人はアベルのアベルになり得るのです。

 この国が非常に悪いというときには、先生はいつも、もっともっと熱心に尽くしていかなければいけないと考えられるのです。こういう先生を、神はどう考えていらっしゃるかといえば、「お前は、よくやったよ。私が悪いんだよ。私が悪いのであって、お前は、よくやったよ」と、そのように考えられるのです。ですから神は、先生の言うことをすべて信じて、先生を立てていかれるのです。神は、先生の中にいつも一緒にいらっしゃいます。メシヤが実体の神として来られるというのは、そういうことなのです。堕落しない完成したアダムとは、そういう方を言うのです。

 先生と心情一体化していくお母様が、いかに難しい立場に立っていらっしゃるかを考えてみてください。女性が男性についていくのは、そんなにたやすいことではありません。主体者が大きければ大きいほど、世界的になればなるほど、相対者もそれくらいに難しいということです。ですから、先生御夫妻の生活がどれくらい難しいか理解できるでしょう。

 例えばナショナル・リーダーの奥さんは、ナショナル・リーダーと同じくらい難しい立場にいるものです。メンバーの奥さんではなく、リーダーの奥さんなのです。そのナショナル・リーダーに対して文句を言ったら、引っ掛かりますよ。神が喜びません。そういう責任をもつ人は、憎みたいという心があっても、それはできないのです。メンバーはできても、責任のある立場に立っている者には、それができません。

 メンバーが誤ったのと、リーダーが誤ったのとは違うのです。10人のリーダーであれば、10人の過ちとして計算されるのです。ですから、責任をもつ人が何かできなかったとすると、その責任が大きいゆえに、叱られるのも大きいのです。

 先生のお話に深く入っていくと、「これは本当に難しくて、何もできないなあ、何の身動きもできないなあ」という考えになるでしょう。ですから、これから先生の深い話は避けたいと思います。なぜならば、私たちは分かったならば、やらなければいけないからです。ですから先生は、なるべくその人が受け入れられる範囲で話して、引き上げて導いてくださるのです。深い話を聞いてもできないから、私たちはダウンしてしまいます。それで、先生は、なるべく御自分の話をしないようにされます。その心情が分かりますか。私たちを愛するから、話したくないということなのです。

 統一教会は法律をつくりませんでした。法は人を救うところに目的があります。ところが法をつくれば、それを守れない人は、どんどん罪を犯していくのです。法をつくらなければ引っ掛からないのに、法をつくることによって罪人が出てくるのです。先生は、法も三段階にすると言われます。

 先生のそういう心情と事情が分かることによって、皆様も、メンバーに対して、リーダーに対して、世の中の人に対して、どういうふうにしていかなければならないかが分かってくるのです。

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 次回は、「歴史的な解放の日」をお届けします。


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