コラム・週刊Blessed Life 214
日米野球、太平洋をまたいで日本人選手が大フィーバー!

新海 一朗

 米国プロ野球(MLB)と日本プロ野球(NPB)、この二つの世界において、季節はまだ春だというのに、モンスターハリケーン、巨大台風が吹き荒れています。
 その原因は、二人の日本人選手にあります。一人は、言わずもがな「大谷翔平」、そしてもう一人は、「佐々木朗希」です。
 どういうわけか、二人とも岩手県が生んだスーパーヒーローの選手です。

 他の選手がまねのできない「投打二刀流」の使い手であり、2021年度の米リーグ年間最優秀選手に選ばれた大谷翔平。2022年度もまた、その活躍が期待され、すでに3本のホームランを打ち、420日のアストロズ戦では、12奪三振のショー・タイムを見せ、アストロズファンの球場をうならせました。
 これが、ホームもアウェイもなく、大谷の魅力にくぎ付けになる米国野球界の実情です。

 昨年の46ホームランを超える打撃を見せるか、それとも156奪三振を超えるピッチングを披露するのか、米国の野球ファンたちは固唾(かたず)をのんで見守っています。

 とにかく、二刀流という常識破りの大活躍を見せてくれる大谷は、米国人にとって、アニメに出てくるようなウルトラ・ニンジャでも見ているような、しびれる選手なのです。何か、神のごとき者を見ているような、絶大な期待感が大谷という選手には投げかけられています。

 大谷でも十分だと思っていた矢先、とんでもない選手が日本のプロ野球ファンを連日のように歓喜させています。

 その名は、佐々木朗希。大谷と同じ岩手県の出身とあれば、なぜ岩手なのかと考え込んでしまいますが、わんこそばのせいか、釜石ラーメンのせいか、定かには分かりません。

 4月10日、オリックスを相手に佐々木が投球した試合は60の「完全試合」でロッテの勝ち、すなわち相手チームの打者を一度も出塁させずに勝利した完璧な投球でした。

 その内容がまたすごいとたたえるしかないもので、3×927個のアウトということになりますが、そのアウトのうち19奪三振を取り、さらに、19奪三振のうち、13奪三振は連続して取ったというものでした。

 圧巻の投球です。160キロを超える球をポンポン、テンポよく投げて三振を取る佐々木の姿は、「第二の大谷か」「いや、大谷を超えるのではないか」など、ファンの気持ちをかき立てるに十分なものです。
 早くも、佐々木が米国に渡って大谷と対決する姿を見たいなどと、先のことを夢見ているファンたちも少なくありません。

 もう一つ言えば、17日の日本ハム戦でまたもや見せてくれた1回から8回を102球投げて、14奪三振を達成したパーフェクト投球があります。

 このようなプロ野球の健全な喜びと興奮を味わう時間を持ちつつも、一方において、ウクライナ戦争のような悲劇を、人類はどうして引き起こさなければならないのかという何とも言えない気持ちを抑えることができません。

 みんな野球で楽しめばいい、サッカーで楽しめばいい、ゴルフで楽しめばいい、シェークスピアの演劇でも見て楽しめばいい、なぜそれができないのだと、ただただ、平和を祈るばかりです。