コラム・週刊Blessed Life 213
ミサイル巡洋艦「モスクワ」沈没!

新海 一朗

 ウクライナとロシアの戦争によって、すでに500万人の避難民がウクライナを離れました。
 そのうち、270万人がポーランドに逃げていますが、受け入れているポーランドも大変なことです。

 ポーランド人口は3,800万人ですから、避難民を合わせると4,070万人、約1415人に1人が避難民という計算です。
 避難民への生活の面倒、住居提供、子供の教育、仕事の世話などを考えると、ポーランドもそろそろ限界かもしれません。

 ここ数日の戦況を見ると、どうやら戦局はウクライナ側に傾きつつあるようです。
 死地に陥っているウクライナ軍であるとはいえ、意地の反撃があり、ロシア黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」がウクライナ軍の対艦ミサイル攻撃2発を受け、撃沈したことが報道されました。
 アメリカ国防総省の発表であり、事実であると思われます。

 ロシア艦を撃沈したのはウクライナの国産巡航ミサイル「ネプチューン」(射程距離280300km)とウクライナ軍は発表しています。
 ロシアは艦内で火災が発生し弾薬が爆発したためと言っていますが、どうも真実ではないようです。

 ロシア軍艦隊の旗艦沈没、黒海艦隊の防空戦力の低下、ロシア軍兵士の士気喪失などを考えると、ミサイル巡洋艦「モスクワ」を失ったことは、今後の重大局面を迎える流れの中で、大きな意味を持つ出来事になるのではないかと見ることができます。

 ミサイル巡洋艦「モスクワ」は、長距離防空システムを担うクラスのものとして、ロシア海軍が現在保有する唯一の艦船であるとされています。
 従って、黒海艦隊の軍事活動のため、艦隊全体の防空と同時に、指揮統制機能を果たす役割まで持っている重要な艦船であったのです。
 「モスクワ」の撃沈は、ロシアにとって、海上からの作戦に深刻かつ致命的な打撃となる可能性があります。

 しかも、ミサイル巡洋艦「モスクワ」の艦長アントン・クプリン大佐の死亡が、ウクライナ内務省から報じられており、死者は一人もいなかったというロシアの報道と食い違いを見せています。

 今後、「モスクワ」撃沈に対するロシアの報復攻撃がウクライナの各都市で始まることが予想されます。すでに、キーウ(キエフ)、ハルキウ、マリウポリなどでその兆候が見られます。
 ウクライナ側も相当の覚悟をしなければなりません。

 さらにロシアにとって悪いことに、今度のロシアによるウクライナ侵攻を見て、考えを大きく変えた国があります。
 それがロシアと隣接するフィンランドであり、フィンランドのお隣のスウェーデンです。
 フィンランドもスウェーデンもこのままではいけないと思っています。

 ロシアとフィンランドの間には、ロシアがフィンランドの「中立化」を強いてきたという歴史があります。
 同じように、ロシアはウクライナを「フィンランド化」するという意図を持って臨んでいました。

 そのフィンランドのマリン首相が、413日、スウェーデンのアンデション首相と共同記者会見をし、二人は中立政策を転換してNATO(北大西洋条約機構)に加盟申請する方向で動くことを宣言したのです。
 このように、中立化では危ないと感じたフィンランドはNATO加盟を強く打ち出しています。

 こうして見ると、ウクライナの中立化どころか、ロシアに気遣って中立国を保ってきたフィンランドとスウェーデンをかえってNATO加盟へと向かわせる失策につながってしまったといえます。
 「NATO加盟阻止」のためのウクライナ戦争が裏目に出ています。