青少年事情と教育を考える 196
低年齢層のネット利用がさらに増加

ナビゲーター:中田 孝誠

 毎年行われている青少年のインターネット利用調査(内閣府)で、ここ数年目立つのが、低年齢層のネット利用の増加です。

 3月に公表された調査結果によると、0〜9歳の低年齢層の74.3%がネットを利用しています。これは前年度から10.3ポイント、その前の年度からは17.1ポイントの増加です。

 学校でのICT(情報通信技術)教育で小学生以降のネット利用は広がっていますが、小学生以下の年代にも急速に広がっていることが分かります。

 さらに年代を分けると、0〜6歳のうち、通園・通学前の子が38.1%(前年度より9.9ポイント増)、通園・通学中の子が70.4%(同12.6ポイント増)です。このうち、1歳児33.7%、2歳児62.6%など、1年で20ポイント近く増えています。小学生(6〜9歳)では89.1%(同6.7ポイント増)でした。

 この年代では、親のスマートフォンなどを使っている子が多いのですが、8歳では15.7%、9歳では32.6%が自分専用のスマートフォンを持っていました。

 ネット利用の内容は、ほとんどが「動画視聴」で、年代が上がるにつれて「ゲーム」や「勉強」が増えています。
 また、1日のネット利用時間は、平均1時間50分でした。
 そして、「ネット利用を管理している」という保護者が97.3%でした。

 実際、目の前で使わせていたり、使っていい時間や場所を決めていたり、何をどれくらい使っているか把握しているという親が半数以上です。
 それでもスマホ育児と言われる状態が増えており、親としてはネットの長時間利用にならないよう気を付けなければならないでしょう。

 子供の成長に合わせた活用をするために、親の知恵と心構えがますます必要になりそうです。