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『祝福家庭』86号(2017年 秋季号)
「小学生教育Q&A
〜子供の個性を輝かせるための親の役割〜

家庭教育局成和子女部 部長・齋藤安正(当時)

【Q】
 小学4年になった息子に「将来の夢は何?」と聞くと、答えが返ってきませんでした。いろいろと習い事を勧めても、やる気が起きないようです。どうしたらいいでしょうか?

【A】
 習い事が「楽しくて良かった」と言う人もいれば、「苦痛だった」「友達と遊ぶ時間がなくなるから嫌だった」と言う人もいます。
 さまざまな理由から、途中でやめた人も多いようですが、中には、「大人になってから、視点を変えて見られるようになった」と言い、やめたことを後悔し、社会人になって再開する人もいるのです。

●親が趣味をもち、子供と共有する
 親がいくら「良いことだから」「重要なことだから」と、学習や体験を熱心に勧めたとしても、そこに自ら価値を認め、自主的に取り組むお子さんは、まれでしょう。

 それでは、子供たちが学校の勉強や習い事、スポーツなどを好きになり、積極的に「身につけたい」と思えるようになるには、どうすればよいのでしょうか?

 いちばん良い方法は、親が率先して学び、取り組んでみることです。親自身が好きでもなく、関心がないことを勧めても、子供の「やる気」に火はつきにくいからです。
 親自身が趣味や特技をもち、そこでの人間関係を築きながら「人としての幅」を広げることが大切です。

 趣味を楽しむ親の姿に、子供たちは自然と引きつけられるに違いありません。同様に、喜んで仕事に打ち込む親の姿を通して、子供は親の職業に関心をもつようになります。

●“本物”に触れて夢を形にする
 スポーツや芸術などの世界で成功を収め、“一流”と呼ばれる人物について調べてみると、その人の家族や親戚などに模範となる選手や芸術家がいることが多いようです。

 幼少期にさまざまなものに触れて刺激を受けることが、夢を形にしていくうえで大切です。また、“本物”に触れることをお勧めします。

 野球を例に挙げれば、高校野球(甲子園)やプロ野球、メジャーリーグなどのテレビ中継を見るのもよいでしょう。さらに球場で観戦できれば、受ける刺激は倍増します。

 親子でキャッチボールをするといった体験も貴重です。人によって取り組みの段階はさまざまで、喜びや楽しみの感じ方は千差万別です。

 ポイントは、「自分が好きなことなら続けられる、自分で決めたことなら努力できる」ということです。逆に、好きではなかったり、他人からさせられていると感じたりする場合は、継続が難しいのです。

●親として最大限のサポートを
 子供が中学生になれば、自立心が強くなるために、親子で何かに取り組もうとしても難しいものです。
 小学生期までに、子供の本性が啓発されるような環境を準備し、挑戦させてあげてください。その中で、何が彼らの個性に合っているかをよく見てあげてほしいのです。

 「これこそ、この子の本性(個性)を生かすものだ」「この道で神様と真の父母様を証していける」というものが発見できれば、とことんつきあい、親として最大限のサポートをしてあげてください。

 子供の関心事のために、親が一生懸命投入する中で、親子の信頼関係は深まります。そうして、子女の霊的生命を守り、家庭で信仰教育に責任をもつ道も開かれていくに違いありません。

●父母同士の協力が求められる
 また、各教会学校で取り組んでいるプログラムやイベントも積極的に活用してください。
 仲の良い二世の友達に誘われてやってみたら、楽しくて好きになり、「サッカーを本格的に習ってみたい」「中高生になっても合唱を続けたい」などと、意欲をもつことも多いです。

 父母の皆さんの協力が求められています。日曜礼拝後に、子供たちが喜んで参加できる企画を一緒に考えてみてください。
 それは、自分が子供の頃に熱中したことでも、地域やPTA活動で体験したことでもかまいません。

 例えば、南東京教区の渋谷家庭教会では、礼拝後、①サッカー、②合唱、③絵画、④自然体験といった文化プログラムを、父母が力を合わせて自主的に運営し、子供たちがそれぞれ興味をもったものに参加するようにしています。

 子供と一緒に何かに挑戦することを、思いっきり喜び楽しんでください! そして、父母同士が助け合い仲良くなってください!
 居心地のよい教会づくりが、二世教育への近道だと思います。

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