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心情開拓
心霊を育てる生活原則(38)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』より)

4 復帰歴史に見る生活原理
(1970年1121日)

▲李耀翰先生

「信仰基台」と「実体基台」を発見する

 後編には、「信仰基台」と「実体基台」、「メシヤのための基台」の三つの転換期間があります。信仰基台と実体基台との相違点は、信仰基台は、無形理念を中心とした縦的な情、縦的な信仰、つまり絶対者と自分の関係をいうのであり、実体基台は、「我と汝(なんじ)」というような平面的な情をいうのです。

 今まで縦的に信仰してきた目的は、自分の横的な基台が目的です。だから信仰基台をつくる目的は、あなたと私との関係が、絶対者と自分との関係のごとく結ばれるためです。結局、個人完成は、相対関係を完成することが目的であり、神の目的である繁殖を目的とするのです。

 そして、「メシヤのための基台」とは、「四位基台」のことであり、「本当の父母」のことをいうのです。

 歴史的に見ると、信仰基台を成功した人はいるのですが、実体基台を成功した人はいないのです。だから縦的信仰を平面的信仰に連関できなければならないのです。そして、信仰基台と実体基台は方向が違うのですが、縦的信仰を平面的信仰に発展させなければならないのです。それが神の復帰摂理路程における、私たちの責任路程なのです。だから、アダムとエバが、お父さん、お母さんになり、メシヤの基台に転換するのです。

 その一男一女を中心として、責任をもっていく期間が、信仰基台をつくる期間であり、結婚したあとが実体基台で、子供を生んだ時には、父母の立場に立つのです。それが今までの復帰摂理の目的で、神は創造目的を目的として私たちを救おうとしてこられたのです。

 しかし今までの、信仰路程の摂理に選ばれた人物たちを見ると、命懸けの立派な信仰はしたけれども、自分の家庭を組織できなかったのです。イエス様でさえも、神の1人息子として、命懸けでそれをしようとしましたが、それができなかったのです。このように、信仰基台はつくりやすいけれども、その信仰基台をつくった基準で実体基台を成功した人が歴史的になかったということを、復帰原理で学んでいるのです。

 今まで、これを何回となく反復してきたので、復帰原理の中で一番問題なのは、信仰基台、実体基台を発見して、それを自分のものとすることです。これは簡単な問題のようですが、情的に崩され、情的に困難になってくるのです。
 だから、これを発見して、この情を整理していくのが私たちの蕩減(とうげん)期間における信仰の態度です。

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 次回は、「歴史の要求する自分」をお届けします。


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