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第3回 キムチチゲ

(光言社『祝福家庭』31号[2003年 冬季号]「天正宮の御献立」より)

アドバイザー:萩野学(掲載当時、真の父母様のお食事を担当)

 『祝福家庭』で連載した「天正宮の御献立」を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 真の父母様が好まれた食事を、各家庭でも味わってみてください。
 本シリーズでご紹介する料理は、2003年2月6日に真のお母様還暦記念集として発刊された『天正宮の御献立』に掲載されているものです。本書には、真の父母様が好まれた、韓国、中国、日本、西洋の代表的な料理の調理法が、写真と共に収録されています。(一部、編集部が加筆・修正)


キムチチゲ

萩野学さんからのアドバイス!

 (2003年)1015日に「平和国連創設 韓国本部大会」を終えられた真のご父母様は、北は雪嶽山(ソラクサン)から、南は麗水(ヨス)、済州島(チェヂュド)まで、くまなく巡回されながら、忙しく過ごしておられました。

 1025日の「真の子女の日」にも、長い時間、御言を語られ、エンターテインメントの時間がなくなるほどに投入され、ややお疲れのごようすでした。真のお母様も、風邪で体調を崩されながらも、お父様を支えて共に歩んでおられました。そのお姿には、心が痛みます。

 韓国の寒い冬には、ご父母様に、体の温まるキムチチゲをよくお出しします。

 普通は、韓国の豆腐(日本の木綿豆腐よりもっと固いもの)を切って入れますが、お父様が食卓で、「キムチチゲには、スンドゥブ(絹ごしのような豆腐)を入れるように」と言われてからは、軟らかい豆腐を入れています。木綿豆腐と絹ごし豆腐のどちらを使うかは、お好みでかまいませんが、ご父母様は絹ごしのほうを好まれます。

 ご子女様方もキムチチゲは大好きで、特に孝進様(ヒョヂンニム)などは、喜んで召し上がられます。

 ご父母様のお好みで、肉は、牛カルビを使いますが、韓国では普通、牛肉ではなく、豚肉を使います。ですから、豚カルビや豚肩肉などでもよいと思います。牛肉なら、カルビの代わりに、脂の少ない牛肩肉や牛バラ肉でもよいでしょう。韓国の家庭では、肉の代わりに、ツナ缶を使うこともありますが、その場合は最後に入れます。

 キムチチゲのいちばんのポイントは、よく漬かった酸っぱいキムチを使うことです。普通の白菜キムチを使います。高級なものを使う必要はなく、安いもので十分です。市販の「キムチの素」や「たれ」などを使うと、キムチチゲの味ではなくなりますので、使わないほうがよいでしょう。キムチチゲはあくまでも、酸っぱくて、普通に食べられないキムチを使って作るものです。

 肉とキムチを炒める時は、ゴマ油ではなく、サラダ油を使います。ちなみに、韓国料理では、ゴマ油は、ほとんど調味料として使うので、炒めたりする時には使いません。むしろ、最後の仕上げに入れます。だしは、いりこ(煮干)と干し椎茸、昆布などで取りますが、家庭では、市販のいりこだしでもかまいません。

 寒いこの季節、ご家族で、親しい友達で、ほかほかの湯気を囲み、おいしいキムチチゲを召し上がってはいかがですか。


【材料(4人分)】

◯牛カルビ 600グラム
◯キムチ 1株(700800g
◯豆腐 14丁(100200g
◯椎茸 3
◯エノキダケ 1袋(約100g
◯玉ネギ 1
◯ネギ 1
◯韓国産トウガラシ 2
◯煮干だし汁 5カップ
◯塩 少々


【作り方】

牛カルビは、水に浸けて血を抜いてからゆでる。あく抜きのため、一度ゆでこぼし、洗ってから余分な脂気を取り除く。(スライス肉を使う場合は、そのままキムチと一緒に炒める。)


豆腐は角切り。ネギは斜め切りにして、トウガラシも種を取り、5ミリくらいの斜め切りにする。玉ネギは、太めの千切りにしておく。キムチは、白菜に入っている薬味(大根など)を全部取って白菜だけにして、長さ5センチほどに切る。

肉とキムチを炒める。キムチは、最初に炒めれば炒めるほど、甘味が出ておいしくなる。炒めた後、煮干のだし汁を加え、弱火で約2時間煮込む。豚肉を使う場合は、1時間ほど煮込む。煮込んでいる途中で、生椎茸と玉ネギを入れる。(生椎茸ではなく、干し椎茸を使う場合、干し椎茸は最初から入れておき、後で玉ネギを加える。)水の量が少なければ、煮干しのだし汁を加えて煮る。


肉とキムチが軟らかくなったら、豆腐、ネギ、トウガラシ、エノキダケを入れて、もう一度煮る。沸騰したら、塩で整え、料理が冷めないように土鍋に入れて出す。
 トウガラシは、日本のものは辛いので、韓国産のトウガラシが手に入らなければ入れなくてもよい。辛いものが好きなら、一味トウガラシを少し加えてもよい。
 キムチの歯触りが残ったほうが好きな人は、カルビを1時間ほど煮てから、キムチを入れるとよい。




画像引用元:『天正宮의水刺床 饌品單子~天正宮の御献立』(光言社刊/2003年)より