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第4回 ビビンパㇷ゚

(光言社『祝福家庭』32号[2004年 春季号]「天正宮の御献立」より)

アドバイザー:萩野学(掲載当時、真の父母様のお食事を担当)

 『祝福家庭』で連載した「天正宮の御献立」を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 真の父母様が好まれた食事を、各家庭でも味わってみてください。
 本シリーズでご紹介する料理は、2003年2月6日に真のお母様還暦記念集として発刊された『天正宮の御献立』に掲載されているものです。本書には、真の父母様が好まれた、韓国、中国、日本、西洋の代表的な料理の調理法が、写真と共に収録されています。(一部、編集部が加筆・修正)


ビビンパㇷ゚

萩野学さんからのアドバイス!

 (2004年)24日、アメリカのワシントンDCで行われた「平和大使授賞バンケット」において、真のご父母様に平和と栄光の王冠が捧げられました。

 それを喜ばれたご父母様は、漢南洞(ハンナㇺドン)の公館において、お昼まで訓読をされた後、ユンノリ大会を開かれました。夕方からは御言を語られながら、漢南洞公館で侍る二世の姉妹2人をマッチングされるなど、多忙な一日を過ごされました。

 その後も、麗水(ヨス)、龍平(ヨンピョン)と移動されながら、毎日お昼近くまで訓読会を主管され、龍平では日本の食口(シック)を集められ、時問も惜しまれず、夕方から次の日の朝まで御言を語られました。

 朝食も取られず訓読され、投入し、愛されるご父母様のお姿を拝見すると、申し訳なく、心が痛みます。

 ビビンパㇷ゚は、真のお父様がお若いころ、特に好まれたものの一つで、そのころは、洗面器のような大きな器で召し上がられていたようです。

 ビビンパㇷ゚は、別々に盛るのは宮廷式です。ご飯も、牛骨スープを使って石鍋(なべ)で炊いて出すのが正式なスタイルです。

 今、ご父母様にビビンパㇷ゚をお出しする場合、真のお母様がご飯の量を調節して入れられるので、別々にお出しするようにしています。一般的には、ご飯の上にナムル(和〈あ〉え物)などを乗せて出すスタイルが多いです。

 日本ではひき肉を使うことが多いようですが、その場合もきちんと下味をつけてから調理してください。味付けには、焼き肉のたれを使ってもいいし、焼き肉の残りを使ってもかまいません。

 ここで使っている野菜は、韓国ではすぐに手に入るものばかりですが、それにこだわる必要はありません。チィーナムルは手近な山菜で、また、韓国カボチャはズッキーニで代用でき、チィーナムル、緑豆ムク、トラジ等は省いてもかまいません。チシャ菜とはサンチュのことですが、サニーレタスもよく使います。市販のおろしニンニクは臭(にお)いが強いので、使う場合は少量にしてください。

 薬味醤油(しょうゆ)とは、醤油に粉トウガラシ、おろしニンニク、すりゴマ、ゴマ油、刻みネギを少量ずつ入れたものです。薬味コチュジャンは、『天正宮の御献立』で紹介している「炒(いた)めコチュジャン」を使うか、コチュジャンに、蜂蜜(はちみつ)または水飴(みずあめ)少々とおろしニンニク、ゴマ油少々を混ぜたもので、ビビンパㇷ゚を混ぜるときに好みで入れられるものです。韓国ではほとんど、コチュジャンのほうだけを使います。

 これに添える汁物は、みそ汁でもコンナムルスープでもよいですが、ワカメスープは白いご飯に合うものなので、韓国では普通、ビビンパㇷ゚とは一緒に出しません。

 ビビンパㇷ゚は、ナムルを使った混ぜご飯です。難しく考えずに作って、味わってみてください。ご家族でおいしいビビンパㇷ゚を召し上がってはいかがでしょうか。


【材料(5人分)】

◯米
◯牛肉 300グラム
◯ホウレンソウ 300グラム
◯ニンジン 1
◯玉ネギ 2
◯干しワラビ 300グラム
◯キュウリ 1
◯卵 5
◯大豆もやし 300グラム
◯チィーナムル(山菜) 300グラム
◯韓国カボチャ 1
◯トラジ(キキョウの根) 300グラム
◯生椎茸 300グラム
◯チシャ菜 10
◯緑豆ムク 12
◯のり(または昆布)
◯ゴマ油
◯ネギ
◯ニンニク
◯塩
◯醤油
◯すりゴマ
◯薬味醤油
◯薬味コチュジャン


【作り方】

米はよく洗い、約30分浸けてからふっくらと炊きあげる。

牛肉は3~5ミリ幅に切り、みじん切りにしたネギとニンニク、すりゴマ、コショウ、ゴマ油、醤油で和えて炒める。牛肉は炒めた後に切ってもよい。


ナムル(和え物)を作る。
 豆もやしはひげ根の部分を取り除き、チィーナムルは軟らかい葉を選びすじなどを取り除き、ホウレンソウはよく洗って約5センチの長さに切る。熱湯に少量の塩を加え、上記の野菜をゆでて冷水に取り、水気を絞って、それぞれネギ、ニンニク、塩、すりゴマ、ゴマ油で和える。


チシャ菜はきれいに洗い、太めの千切りにする。

生椎茸はよく洗い、塩で味付けしてサラダ油で炒める。

干しワラビはゆでて一日水に浸け、約5センチの長さに切って塩、醤油、ニンニク、すりゴマ、ネギ、ゴマ油で味付けし、サラダ油で炒める。


ニンジン、韓国カボチャ、トラジ、玉ネギは千切りにし、塩、ネギ、ニンニクを加えてサラダ油で炒める。

キュウリは水洗いして縦半分に切り、薄く斜め切りにして塩で軽くもみ、水気をよく絞ってから、ネギ、ニンニク、ゴマ油、すりゴマで和える。

緑豆ムクは8ミリほどの太さに切り、塩、ゴマ油、すりゴマで和える。

のりを軽く焼いてから細く刻む。卵は目玉焼きに。

混ぜやすい広めの器に準備したチシャ菜、各種ナムル、ムク、目玉焼き、肉などの材料をきれいに盛りつける。

ご飯を器に盛り、ゴマ油、すりゴマ、調味コチュジャン、薬味醤油をそれぞれ小振りの器に入れて添える。

 骨董飯とも呼ばれるビビンパㇷ゚は12月の大晦日の夕方、残った料理を新年に持ち越さないように食べていた風習から由来しています。

 ナムル(和え物)の材料は季節によって変えてもよいです。

 水キムチと汁物を添えるとよく、海苔の代わりに昆布を油で揚げてから砕いたものを使ってもよいです。


画像引用元:『天正宮의水刺床 饌品單子~天正宮の御献立』(光言社刊/2003年)より