シリーズ・「宗教」を読み解く 194
第117回「超宗教フォーラム」・日韓トンネル現場巡礼④
海の向こうの韓半島に向かって祈る

ナビゲーター:石丸 志信

 11月5日、早朝に福岡空港から空路で対馬に渡った宗教者一行は、島の中央部にある対馬やまねこ空港から、バスで一路北端に向かう。
 先端の町、上対馬町鰐浦に韓国の古代建築様式を取り入れた韓国展望台が立つ。天気が良い日に運が良ければ、ここからは海の向こうに釜山の街並みが望める。

 韓国までのわずか50km。眼下には、航空自衛隊分屯基地が置かれた海栗島が見える。まさに「国境の町」。
 展望台の傍らに「朝鮮国訳官使殉難之碑」が立っている。今から300年以上前、元禄16年の冬、釜山を出発した108人乗りの訳官使船が悪天候に見舞われ鰐浦を目前に遭難、全員が死亡するという悲惨な海難事故に見舞われた。
 この出来事の背景に日韓の友好的交流があったことを記念して、平成3年にこの碑は建立された。

 宗教者は、ここでは日韓の友好の歴史を思い起こしながら、やがて日韓トンネルで結ばれるであろう日韓両国が、今こそ友好の絆を強く結べるようにと祈った。
 海を背に、殉難之碑に向かって並ぶと、韓国婦人の先導で祈りに入り、神道、仏教、キリスト教、イスラームと宗教の歴史をたどりながら順に祈りをささげた。海の向こうの韓半島に向き直っては、一斉に、それぞれの思いを込めて力の限り祈る時間を持った。