シリーズ・「宗教」を読み解く 190
第116回「超宗教フォーラム」・聖火の郷巡礼④
異なる宗教の伝統的な祈りが一つに響く

ナビゲーター:石丸 志信

 9月26日に聖火の郷で開催された孝情奉献聖火式において、今回初めて宗教者の祈りがささげられた。
 参加者にとっても、異なる宗教の伝統的な祈りが共鳴する響きはおそらく初めて耳にするものだっただろう。感動の声が多く聞かれた。

▲慰霊塔の前で記念写真に納まる各宗教の代表者たち

 祈りをささげた宗教者は、中部、中四国、九州、北海道から駆け付けてくださった仏教、イスラーム、キリスト教の代表者たち。

 前日には、聖火の郷がどのような歴史的な背景を持っているのかを聞いて学ぶことができた。
 当日の朝には、リハーサルを終えてから慰霊塔広場を巡礼することで、この地の霊的空気を感じることができた。それ故に、式典に際してはおのおの心霊が高められ、一層の霊的力を込めて祈ることができた。

▲フマユン・ムガール氏

 「初めて来る北海道。なぜ、自分がここに来て祈ることになったのか? 川瀬教主に呼ばれたような気がする。このかたのスピリットを感じた」とはイスラームの祈りをささげたフマユン・ムガール氏。

 真言宗の僧侶は、川瀬教主が弘法大師の託宣を受けたことを心に留め、「自分にも使命があるな」とつぶやかれた。
 天台宗の僧侶は、密教の護摩行の伝統を継承した式典の内容を違和感なく受け止められた。
 キリスト教牧師は他の宗教者や主催者、参加者との良き交流もあり好印象を持った。

 宗教の和合統一は、人間の業ではなく、神霊の働きによって成されるのだということを確信するひと時でもあった。