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新・熱き祈祷のすすめ 33

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「新・熱き祈祷のすすめ」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。
 祈りの必要性や祈りの種類、実践方法をまとめた祈祷の手引書です。

松本 雄司・著

(光言社・刊『新・熱き祈祷のすすめ』より)

第五章 祈りの実践

10 注意点

②言葉のカラ回りをなくす
 もう一つの注意点は、言葉のカラ回りをなくす、ということです。こういう体験はありませんか。ずっとお祈りをしているときに、途中でふと気がつくと、口はとうとうとお祈りをしているのですが、もはや自分の意思とは関係のない言葉をしゃべっているのです。これを私は「言葉のカラ回り」と名づけています。

 おもしろいことに、一人一人その文句の内容は違うのですが、ある決まった文章ができています。ふと気がつくと、最初に祈ろうと思ったこととは全然関係のない、いつもの自分の決まり文句をカラカラと繰り返しているのです。それはなかなか名文句ですから、そばで人が聞いていても分からないのですが、もはや自分の意思や情からは離れ、口だけが動いている状態になります。

 これに気がついた場合、私は口をつぐみ、いったん祈りを抑えます。そして、「むなしき祈りはやめよ」と自分に言いきかせ、自問自答します。「お前はいったい、今何をやっているのか。自分は何を一番訴えたいのか」。このように自分の本心を確かめ、意思を確認した上で、また言葉を出し始め、祈りを再開するようにしています。

 どんなに立て板に水のようにとうとうと、声色までつけた見事な祈りができたとしても、自分の意思や情と分かれてしまった祈りは、ただの祈りの作業にすぎないのです。神から見た場合には、いたたまれない、むなしい祈りです。このような言葉のカラ回りをなくし、一言一言吟味して、自分の意思を正し、自分の情から出た言葉を神に伝えていくのです。

 そういう意味では、祈りは特別うまくなくてもいいのです。決して流暢(りゅうちょう)なのが良いのではなく、素朴なたどたどしい言葉であったとしても、自分の意思と自分の情が中心となって出てきた言葉をもって神の前に祈っていくことが、何より大事なことではないでしょうか。

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 次回は、「注意点 ③人に聞かせる祈りになっていないか」をお届けします。


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