青少年事情と教育を考える 10
教師の働き方改革

ナビゲーター:中田 孝誠

 先日、NHKテレビで過労死の問題が放送されていました。取り上げられていたのは医師と教師の働き方です。医師は連続30時間以上の勤務になることも。教師は朝7時台に出勤し、授業はもちろん、生徒指導、部活動指導、会議など夜遅くまで勤務しています。土日も部活動の比重が大きくなっています。

 今の教育界で特に大きな課題の一つが教師の働き方改革だと言っていいでしょう。安倍晋三首相も2月の委員会で、「教員が子供と向き合える時間を確保し、今まで以上に誇りとやりがいを持てるようにして、教育の質の向上を図る」と述べています。

 文部科学省が昨年4月に発表した「教員勤務実態調査」では、過労死ライン(週60時間以上)勤務の先生が、小学校で3割、中学校では6割に上りました。1週間当たりの学内総勤務時間は、小中学校とも55時間から63時間30分。10年前に比べて4〜5時間増えています。1日で見ると、平日の勤務時間は小学校が10時間30分から12時間でした。
 勤務時間が増えた理由は、「脱ゆとり」で授業時間が増えたこと、若手教員が増えて授業の準備に時間がかかること、事務作業が増えていること、部活動の指導の時間が長いことなどがあります。

▲文部科学省が2017年4月に発表した「教員勤務実態調査」より

 政府は、教師が本来の教育の業務に集中できるよう部活動の負担軽減や業務の効率化を図るため、今年度から教職員の定数を約1600人増やしています。スクールカウンセラー、教師の事務的な仕事を代行するスタッフ、部活動の指導員など教師の支援も以前より強化されつつあります。

 政府の専門家会議が、保護者や地域住民が教師の職に理解を深めることができるよう、「教師の日」を創設することを提案しています。世界的な「教師の日」は10月5日で、1994年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が定めました。また、日本の教育が世界トップレベルの成績を上げているのは子供を大事にする」価値観を先生が共有しているからだという意見もあります。先生がたを支える取り組みは、子供たちの教育につながる重要なテーマであるわけです。