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信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(16)

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

第一部[証言]先生と歩んだ平壌・興南時代
一、平壌開拓の日々

▲金元弼先生

霊能者の入教と悩み

 先生が直接街頭に出て伝道されたのではなく、先生に出会った人が伝道をして、連れて来ていました。その伝道も、その人たちはお祈りをして、神のただ一つの言葉を聞いただけで、神のお告げで入信するという状態でした。その人たちは既に、そういうお祈りの準備をしていたからです。ですから、心を決めるのが非常に早いのです。

 しかし、神の啓示によって入信しても、難しい問題がありました。その人たちは家族をもち、また既成教会の中心者でした。それゆえに、神の啓示によって真理が分かって統一教会へ入ったけれども、家庭の反対、その次に教会からの反対を免れることができませんでした。家の中で、いてもいなくてもいい存在であればまだいいのですが、家の中心者になっていて、また尊敬されている人たちでした。また、教会のすべての人たちが、その人によって伝道され、育てられたのであり、彼らによって教会が建てられた、という人たちです。だからこそ、迫害が最も大きかったのです。

 教会に入ると決めたのですが、迫害が大きかったので、どのようにこれを調和していくのか、縁を切るのか妥協するのか、という点で悩んだのです。それは私たちが最初にみ言に触れて決心した当時を考えてみれば、少しくらいは理解できると思います。皆さんは、今お話ししたような人たちとは事情が違い、家族の一員であり、また教会の中心者でもないのですから、その人たちとはやや事情を異にすると思います。

 しかし、自分が今まで情を結んでいた友達と離れなければならなかったり、深く関係している学校を辞めたり、仕事を辞めなければならないこともあったりして、その人たちとは事情を異にしているものの、今まで情を結んでいたのにその縁を切るという点においては、全く同じ内容をもっていると思います。皆様がかつて学校をどうするかと悩んだことを考えれば、その人の事情が理解できると思います。親から離れるのか、友達から離れるのか、それとも学校を選ぶのか、仕事を選ぶのか、職を離れるのか、悩んだ過去があったと思います。

 その人たちは、霊能者たちです。そういう人たちは、そのような悩みをどのように解決したらいいのか分からないときに、先生を訪ねるのです。先生は、いちいちテイク・ケア(牧会)しなければなりませんでした。その悩みは、その人にとっては非常に深刻なものです。

 天の啓示は、いつもいつも、自分が困難な局面にいるときに教えられるものではありません。天の啓示は、そんなにいつもいつも与えられるものではありません。もしそのように啓示をすることができるならば、そもそも人間の堕落はあり得ないのです。ですから、そういう人が訪ねてきたときに、先生がもしそれをテイク・ケアしなければ、彼らは悩みのために、教会活動を長く続けることができなくなってしまいます。

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 次回は、「よく話を聞かれる先生」をお届けします。


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