青少年事情と教育を考える 165
親との会話で育てる社会意識

ナビゲーター:中田 孝誠

 前々回、日本とアメリカ、中国、韓国の高校生を対象にした意識調査について取り上げました(6月に公表された『高校生の社会参加に関する意識調査報告書』国立青少年教育振興機構)。

 日本の高校生は学校行事に積極的に参加しているという割合が4カ国の中で最も高くなっています。その一方で、学校外の活動への参加経験が少ないことも分かりました。

 もう一つ、この調査から引用してみたいと思います。それは親子のコミュニケーションについてです。

 自分の考えや意見について、普段から親と「よく話す」「時々話す」という回答は、4カ国とも8割前後ありました。家族で何かを決める時に自分の意見を話したいという割合もやはり8割で他国と変わりません。日本の高校生も親との会話が少ないというわけではありません。

 ただ、社会のさまざまな問題に対する自分の考えを親が聞いてくれるかという質問には、韓国66.7%、中国59.5%、アメリカ56.4%、日本42.9%でした。

 また、日本の高校生は、親が選挙に「いつも行っている」ほど、学校の生徒会活動への参加意識が強く、国内外の問題への関心が高く、ニュースなどをよく見る傾向があると分析しています。

 以前、本欄で「主権者教育」について取り上げましたが、それは社会の一員として自分で考えて行動し、お互いに協力しながら、地域の課題を解決する力を育てる教育です。これからの国、社会を担うという意識をしっかりと持った人材を育てると言ってもいいでしょう。

 そのために文部科学省は、「人格形成の基礎が培われる幼少期からの取り組みが大切」だということで、家庭教育を担当する部局の強化など、家庭教育支援の必要性を提言しています(文部科学省「今後の主権者教育の推進に向けて」最終報告書)。

 社会の物事をイデオロギーではなく客観的に捉え、公的な行動ができるようになるためにも、親とのコミュニケーションと親自身の意識が大切だということでしょう。