青少年事情と教育を考える 163
学校行事への参加意識高い日本の子供たち

ナビゲーター:中田 孝誠

 先月、日本とアメリカ、中国、韓国の高校生を対象にした意識調査の結果が公表されました(『高校生の社会参加に関する意識調査報告書』国立青少年教育振興機構)。
 それを見ると、日本の高校生は学校行事に積極的に参加していることが分かりました。

 例えば、「運動会や文化祭などの学校行事」に「積極的に参加している」という回答は、日本55.0%、アメリカ25.8%、中国41.2%、韓国45.4%でした。「まあ積極的に参加している」を含めると、日本の高校生は9割を超えています(アメリカ6割、中国と韓国は8割台です)。
 「部活やクラブ活動」では「積極的に参加している」という割合が、日本60.5%、アメリカ26.2%、中国34.0%、韓国41.3%でした。

 もちろん、学校の制度や文化の違いがありますから、一概に比較することはできません。アメリカの学校はこうした学校行事が少ないという事情もあります。それでも、日本の子供たちにとって、学校の存在が非常に大きいことがうかがえます。

 その一方で、学校外の活動への参加経験が少ないことも分かりました。
 例えば、「地域の子ども・若者の交流活動」(日10.3%、アメリカ21.9%、中国15.0%、韓国34.3%)、「寄付・募金活動」(日14.2%、アメリカ39.4%、中国25.2%、韓国27.0%)、「環境・自然保護に関する活動」(日6.5%、アメリカ19.2%、中国26.7%、韓国25.4%)など、ほとんどの項目で日本が最も低くなっています。趣味に関する活動以外は、あまり関心がないという結果も出ています。

 若い世代が社会や世界の諸問題に意識と関心を持っているかどうか、人によって意見が分かれるところもあります。間もなく成人年齢が引き下げられ、すでに18歳には選挙権も与えられています。高校では「公共」という新しい教科が本格的に実施されます。

 若い世代が、イデオロギーではなく客観的に社会の物事を捉え、より良い社会づくりに参加できるようになるためには、学校と家庭での教育が重要になるのではないでしょうか。