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信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(8)

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

第一部[証言]先生と歩んだ平壌・興南時代
一、平壌開拓の日々

▲金元弼先生

礼拝参加者の心得

 食口がほとんど準備していない、そういう中で先生がみ言を語ろうとすると、なかなか大変なのです。そういう時には、たくさんの中で誰か一人でも、よく準備していて基準のある人を見つけると、その人を中心としてみ言を語り始められます。その人と授受作用がなされると、必ずその授受作用は繁殖の現象を起こすので、それによってもう一人が繁殖されます。そして一人、また一人と繁殖されていき、全体が燃え上がるというものでした。

 全然心が通じない、そういう環境の中で礼拝をされる時は、のどが渇いて、なかなか言葉がうまく出てこないということです。これは非常に原理的で、対象を求めて授受作用すると、それによって繁殖していくという原理が適用されるのです。

 皆さんが競技を見ている時に、自分は感動しているけれども、声を出せなかったとします。しかし、一人が非常に感動して声を出すと、その声に合わせて授受して、その人が拍手すれば、こちらも拍手します。こうなると、全体が拍手をするようになるのです。これと同じことが言えます。私たちも、心情が通じないのにみ言を語ろうとする時、全体を見ていては、授受できる相対者をなかなか見つけられません。その先生の様子から、授受できる人を見つけて語り始めることが大事である、ということを学びました。

 皆さんも、水を飲みたい人がいるとすると、その中でも水を本当に飲みたい人に先にあげるのと同じように、恵みを求める心がほかの人よりもっと強いとするならば、神は、そういう人を通じて行われるということを覚えてほしいのです。

 朝早くから誰よりも先に来て、先生のみ言の恵みを求めて受け入れる準備をしている者がいるとすれば、その人は、み言の恵みを先に受けるようになるでしょう。

 私がニューヨークにいた時に、先生は朝早く、聖日礼拝のみ言を語ってくださいました。そのみ言の中で、「一番前の座席を取ろうと思って、前日から来て待っていた10代の若者たちがいる」と話されました。先に来ないと、ほかの人に前の席を譲らざるを得ないのです。ですからその席を譲るまいと思って、いつも誰よりも先に来るのです。寒い時でも、とにかく朝早くから祈る人がいるということを、非常に喜んで話してくださいました。

 探し求めていた真理を聞くことによって、生涯にない感激を受けたメンバーたちは、自分の家に帰ることを忘れて、いつもいつも教会から離れようとしませんでした。最初のメンバーたちは、真理を大変求めていた人たちであり、また神の啓示を受けて、約束されたメシヤを待っていた人たちでした。それだけに、先生のみ言を受けると、すぐ変わりました。ちょうど、のどが渇いていた羊のような立場であったからです。前にもお話ししたように、非常に感動した人は、教会から離れ難くなりました。そうすると、家庭からも、教会からもたくさんの迫害を受けるようになりました。

 心の喜びを知った人は、自分の家や、今まで通っていた教会には、なかなかいられませんでした。そういう心情は、皆さんもよく体験していると思います。心から真理を求めていた人が真理を知るようになり、神のお告げを受けていても分からなかったのに、そこに神の啓示を知ったメシヤを迎えることができたのです。その喜びは、何ものにも換えることのできない、そういう貴いものであったがゆえに、一方で、たくさんの迫害を受けたのです。

 先生は、ある期間を経過して、そういう食口たちに、「これからは家に帰り、そして教会に帰って、その中でこのみ言を伝えるように」と指導されました。ところが食口の心は、そうではありませんでした。それはちょうど、墓地に行くようにつらいことでした。

 昔の教会に行ったら、前は非常に良かったのですが、今はそこにいることができないのです。それで先生の言うことを聞かずに、再び先生のところへどんどん来て、み言を聞こうとしました。そのように真理を慕って、恵みを慕ってきた人に、「お前、帰れ」と言うことはできませんから、先生はまたみ言をたくさん語ってあげました。

 ある人は、「帰れ」と言われても帰らないのです。そういう体験をしたことがある人は、そういう心情によく共鳴するものがあると思います。

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 次回は、「授受作用から見た喜びと失敗」をお届けします。


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