https://www.kogensha.jp

信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(6)

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

第一部[証言]先生と歩んだ平壌・興南時代
一、平壌開拓の日々

▲金元弼先生

なぜ大きな声で語られるのか

 皆さん、み言を語られる時に、大きな声で語る理由を理解してほしいのです。

 先生はなぜそんなにするのだろうか、と考えるかもしれません。み言を知らず、真理が分からずに死にかかっている、そういう人に真理を教えると、生き返って喜ぶ姿を見ることがあると思います。それと同じく、先生は人々が死の中にいるのを見ると、それを生かそうと深刻な心をもたれるのです。先生は、そのように考えてそうされるのではなく、直接それが見えるのです。そればかりではなく、霊的に見れば、サタンが傍らにいて連れていこうとする状態が見えるので、話をする時に、静かに語ることは難しかったと思います。そして先生がひとたび語り始められると、非常に細かく語られ、時間には注意を払っていらっしゃらなかったのです。ですから、12時になるのも分からなかったのです。

 それらの人の中には、家庭を守らなければならない人もいます。あるいは職業に就いていて、出社時間までに行かなければならない人もいます。学校に行かなければならない人もいます。しかし、み言は、非常に大きな恵みとなりますから、あすの時間や、これからの約束の時間を守らないで、み言を聞くようになったのです。

 ある時、韓鶴子(ハン・ハㇰチャ)夫人が先生に、「お父様、食口たちはみ言が非常に長いと言っていますけれども、なるべく短くすることはできないでしょうか」と勧めたことがありました。その時に先生が夫人に、次のようにお答えになりました。「短くすればいいことは、私もよく知っています。でも、今、この話をしてあげたら、この人たちが生き返る、そういう人が見えるのです」と言われるのです。もし、それをやめたとするならば、そのままになり、生き返らせることはできないというのです。

 み言は、人に生命力を与えるものです。短くしたら、別の人には良いのですけれども、こちらの人はよみがえらないのです。ですから、その人の問題を解決するばかりでなく、すべての人に解答を与えるために、仕方なく長く語らざるを得ないのです。この世の講義とは違うのです。知識を伝達するのと違い、生命をよみがえらせるために長くなる、ということをお話ししてくださったのです。先生と私たちと違うのは、死にかかっている姿や生き返る姿が、先生には目に見えるということです。

 話をする時、重要な点は、大抵強調します。先生が大きな声でお話しされるのは、その人にとって非常に重要なことですから、真心を込めてあげようとすると、大きな声にならざるを得ないことが理解できるのです。愛する子供が泳げないのに、海の深い所へどんどんどんどん行ってしまうならば、皆さんは遠くにいる子供に、小さな声で「帰ってきなさい。帰ってきなさい」と言いますか。大きな声で叫ぶでしょうか。それと同じことです。

 私たちの背後には、多くの善霊界と悪霊界があることを、忘れてはいけないと思います。私たちは、それがはっきり分からないのですが、先生には、それが全部見えるのです。そういうことで、その時は何も分からなかったけれども、今考えてみると、そういう事情であったのか、と分かるのです。それは、時間がたつのを忘れて、熱中してみ言を語ってくださったことから理解するようになりました。先生は本当に、さっきも話したように、み言を与える時に、いつもいつも汗を流し、涙で訴えてくださいました。

 お祈りの時、あまりにも先生が涙を流され、食口たちが全員涙を流すのを見たときに、私は非常に苦しかったのです。なぜかといえば、そのように全員が涙でいっぱいなのに、私は涙が出なかったからです。お祈りの間は分からないのですが、お祈りが終わった時には、全員が涙をふくのです。私には涙がないから、それが大変恥ずかしかったのです。私だけが涙を流していないので、その人たちが私を見てどう思うかということを考えると、非常につらかったのです。そのくらいに、先生と食口たちがたくさん涙を流したということを、皆様に話したかったのです。

 先生は、たとえ年を取った食口であっても、帰ろうとすると、それを決して喜ばれませんでした。「もっとここにいるように」と、いつもいつも言われるのです。また、先生は食口が見えないと、「来ないのだろうか」と非常に待ち遠しくしていらっしゃいました。

---

 次回は、「礼拝とその準備」をお届けします。


◆『信仰の伝統』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ