シリーズ・「宗教」を読み解く 168
復活節を記念して⑥
ペンテコステの出来事

ナビゲーター:石丸 志信

 西方キリスト教の暦では、今年5月23日(日)が聖霊降臨の主日だった。この日、カトリック教会では、第一朗読として使徒行伝2章が読まれ、イエス・キリストの復活後50日目に起こった出来事を想起する。

 以前、エルサレム旧市街を巡礼した時、シオンの丘にある「ダビデの墓」に案内された。その館の上の間が「最後の晩餐」の部屋だと伝えられている。
 ゲッセマネの園で捕らえられたイエスを、裏切り見捨てた弟子たちであったが、悔い改め、復活したイエスによって許された。

▲「最後の晩餐」が行われたとされる部屋

 「五旬祭(ペンテコステ)」の朝、再びこの部屋に集い祈る弟子たちに、「舌のようなものが、炎のように分れて現れ、ひとりびとりの上にとどまった」(使徒行伝 第2章3節)と聖書に記されている。

 さらに聖霊に満たされた弟子たちはさまざまな言語で主を証し始めた。驚いて集まってきた人々に向かって堂々と説教するペテロの姿は数週間前とは全く異なる。

 「あなたがたが十字架につけたこのイエスを、神は、主またキリストとしてお立てになったのである」(同 第2章36節)と宣布し、悔い改めを呼び掛け、バプテスマを受けるよう勧める。

 これを受け入れた者たちも聖霊の賜物を受け「神の子」に生まれ変わっていく。

 弟子たちはここにイエス・キリストの約束がなされたことを知り、兄弟愛に結ばれた新たな共同体を形成していく。
 今日、聖霊降臨の出来事を記念するたびに、キリスト教の伝統の出発を振り返る。