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信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(2)

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

まえがき

 金元弼(キㇺ・ウォンピㇽ)先生は、私が最も尊敬する先輩の一人であり、『原理講論』の著者であられる劉孝元(ユ・ヒョウォン)先生と並んで、最も大きな影響を与え続けていらっしゃる先輩であり、信仰上の先駆者であられます。今日、統一教会は世界の130カ国以上もの国に広がっていますが、わずか23人の時に、既に文鮮明(ムン・ソンミョン)先生と苦楽を共にされ、今日に至るまで、信仰の本流を歩んでこられました。

▲金元弼先生

 統一教会の本流、あるいは原点たる文先生、その人と生涯を知るのに、この先生以上に勝る方はいないと言っても過言ではありません。また、文先生が秘して語られない、その苦難と葛藤の世界、「神の解放と人類の解放」に向けて、全力投入、完全投入された1960年以前の隠された歩み、それを知っていらっしゃる貴重な証し人です。

 最初に日本と韓国でお会いして以来、非常に心引かれた先生です。なぜかと申しますと、聞かずして、言われずして、文先生の心情を分かられる方、言葉なくして、行いによってその愛と教訓を示される先生だからです。また、統一教会の「永遠の宝」とも言うべき、目に見えない「信仰の根」を、いつも無言で証し続けていらっしゃるからです。

 金元弼先生は、その前半生において、文先生と共に韓国における伝統の確立の中心的役割をされ、その後半生においては、伝統の普及のために世界中を駆け巡られました。イギリスとアメリカ、そして今日、ドイツを中心とする全ヨーロッパの責任者として、メンバーの教育とさまざまな摂理に当たっていらっしゃいます。韓国の現会長であられる金榮輝(キㇺ・ヨンヒ)先生共々、文先生の最も近い側近として、世界中から尊敬を集めていらっしゃる先生です。

 ある時、私は金先生に質問したことがありました。「先生の、日々の信仰の心構えは何ですか」。すると、「それは感謝ということに尽きます」という答えが返ってきました。人間の生涯には、言い表すことのできない喜怒哀楽、栄枯盛衰があるものです。けれども、その間を一貫して、変わらざる一本の赤い糸を「感謝」と規定して歩まれる姿の中に、金先生の柔和な笑顔とともに、信仰の原則と伝統に対する厳しい探求心を思い起こされるのです。

 私たちは普通、自分の次元から文先生を推し量るのですが、金先生は、神の心情から万年を見つめられるという、文先生の次元の違った深みと広さと高みを示されているのです。今日、「伝統の相続」ということを考えるとき、このような優れた先輩たちを通して証される天の父と文先生の世界が、余すところなく開陳されることを、読者の皆様と共に感謝する次第です。

 この講話集がより多くの人々に読まれ、理解され、そしてそのように生きられることを念じつつ、ひと言ですが、拙(つたな)い序文の筆を置かせていただきます。

1987年8
日本統一教会副会長 小山田秀生

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 次回は、「先生との出会い」をお届けします。


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