シリーズ・「宗教」を読み解く 10
『世界経典』の出版

ナビゲーター:石丸 志信

 世界平和宗教連合(IRFWP)の創設大会において、文鮮明総裁は、『世界経典(World Scripture)』の完成を発表した。1985年の第一回世界宗教議会で提唱されたことが、世界の多くの宗教指導者、宗教学者らの協力で実ったのだ。
 「神様と人間」「救い」「宗教生活」などのテーマに則した諸経典の引用し、体系的に編集したもので、各宗教の教えが一目で比較できる聖典のアンソロジーだ。編者のアンドリュー・ウィルソン博士は、「この作業を通して、宗教の教えは、差異よりも共通点の方がはるかに多いことが分かった」と述べている。

▲『世界経典(World Scripture)』

 比較宗教学者のニニアン・スマート博士の序文には、『世界経典』はどの宗教伝統にも敬意を払っている。それが穏和な対話を促進するだろう」とある。
 文総裁は、創設大会の時『世界経典』を掲げながらこう言った。
 「これは人類の心霊を明るくする最高の光となり、一つの地球村の家族として共に生きるべき青少年たちに、宗教と皮膚の色と文化の塀を跳び越えることができるように教育する大切な教科書となる」
 こうして、世界平和の実現のために宗教間の理解と和合がいかに重要であるかを示そうとしたのだ。