シリーズ・「宗教」を読み解く 9
世界平和宗教連合の創設

ナビゲーター:石丸 志信

 過去2回の世界宗教議会を経て、1991827日、韓国・ソウルにおいて世界平和宗教連合(IRFWP: Interreligious Federation for World Peace)が創設された。
 「今は世界の宗教が、世界平和の実現のための中心的責任を切実に感じ、積極的な実践隊列に出で立つ時です」
 創設者の文鮮明総裁はこう呼びかけ、「世界平和のための宗教の使命」と題する基調講演を行った。

▲世界平和宗教連合創設大会に出席した日本の宗教指導者たち(1991年8月27日 韓国・ソウル)

 時は、20世紀を締めくくる最後の10年間の始まり。人類が新たな千年紀を迎えるために、世界の指導者の責任ある行動が求められていた。東西冷戦が終結し欧州連合の発足が近づいていた。連合時代の始まりを予感させた。一方、湾岸戦争により中東に混乱の要因が広がった。
 文総裁は、「神とそのかたの真の大いなるみ旨に献身することが各宗教の使命」だと明言した。心の世界を代表する宗教と思想領域が、体の世界を代表する政治経済の流域とが、神の愛で調和し統一圏を成してこそ理想世界が生まれてくる。その確信のもと、世界の宗教者が神の真の愛の実践を通して、為政者や各分野の指導者の模範となるべく、連合体を生み出した。