シリーズ・「宗教」を読み解く 163
復活節を記念して①
「新しい過越」

ナビゲーター:石丸 志信

 キリスト教では、イエス・キリストの受難・死・復活を記念する復活祭(イースター)を最も重要な祝祭として祝う。それは毎年花咲く春の季節に訪れるユダヤ教の過越祭とも重なる。
 古来、イスラエル全土に住むユダヤ人は、出エジプトを記念する過越祭には聖都エルサレムに上っていた。

 キリスト教は、イスラエル民族のエジプトからの脱出をイエス・キリストの御業(みわざ)の予型と見なし、イエスの復活に始まる救いの御業を旧(ふる)い約束の成就と捉え、「新しい過越」と呼んだ。
 エジプトから解放され、約束の地へと移される救いの体験を踏まえ、罪による死の縄目からの解放、霊的な神の子へと生まれ変わる新しい救いの道が開かれたものと受け止めたのだ。

 西方キリスト教世界では、今年は4月4日に復活祭を祝った後、50日間の復活節を過ごしている。
 東方正教会では、古くからの暦を用い、古代教会の定めた規定に従っているので他の教派と日程が異なる。

 東方正教会では今年5月2日が復活祭に当たる。「今年は」と言ったのは、復活祭は基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と決められている移動祝日だからである。
 その年によって、早い年は3月の下旬に復活祭を迎え、遅い時は4月下旬になる。復活祭が早く訪れる年は、桜の花も早く咲き始めるような気がしている。