2025.12.08 22:00

facts_3分で社会を読み解く 97
中国共産党と結託する世界的反カルトネットワーク(9)
韓国の「反カルト運動」⑥
中国反邪教協会の正体
ナビゲーター:魚谷 俊輔
このシリーズは、世界的反カルトネットワークによる信教の自由に対する攻撃という観点から、日本や韓国で起こっていることの背景について解説している。
前回から、日本と中国の反カルト運動の協力関係について説明を開始した。
前回説明したように、日本の反カルト活動家たちは、中国で主宰される学術会議を装った事実上の反カルト集会に足を運び、中国との友好関係を継続してきた。
彼らは中国政府による「邪教」の取り締まりと、日本における「カルト」対策を同一線上のものとして捉え、互いに協力し合ってきたのである。
こうした日本の反カルト活動家たちの協力に対する返礼として、2025年3月、東京地裁が家庭連合(旧統一教会)の解散を命じると、中国反邪教協会は同年4月18日、東京地裁の解散命令決定を「歴史的」と称賛し、全国弁連をはじめとする日本の反カルト活動家を支持する声明を発表した。
中国反邪教協会は、中国共産党中央統一戦線工作部を通じて直接統制されている組織であり、自らを世界最大の反カルト団体であると主張している。
同協会の名称は英語では“China Anti-Cult Association”と訳されているが、「カルト」に該当する中国語は「邪教」である。
私がこの声明文の中国語をAIで日本語に訳すと、タイトルは「『統一教会』の終末判決は、邪教の危険に対する日本社会の覚醒と反撃である」というものであった。
この声明文のポイントを要約すると以下のようになる。
①中国反邪教協会は全国弁連を称賛している
②声明は、このプロセスは統一教会という「個別の事例」から、宗教を異なる方法で規制する「制度的なシステム」へと移行すると予測している
③解散は統一教会の経済的生命線を断ち切ることになると予想している
④声明は、統一教会に対する判決は少数派宗教に対するより広範な取り締まりの第一歩に過ぎず、「日本社会にとって大きな前進」となると考えている
⑤声明は、判決が全ての問題を解決するわけではないと結論付け、天宙平和連合(UPF)が依然として国際的に活動を続けていることを嘆いている
⑥東京地裁の判決が「他国にとってカルト問題への対処の手本となる」と確信している
要するに声明文は、家庭連合の解散を命じた東京地裁の判決は、宗教に対する中国流の考え方に倣っており、中国の利益にかなっている、これが先例となって日本では家庭連合に類する「邪教」を一層広範に取り締まるようになることを期待しており、中国から日本に輸出された宗教政策が、他の国にとってもモデルとなって拡散していくことを望むと言っているのである。