世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

チャーリー・カーク氏、銃撃されて死亡

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、98日から14日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 中国外務省、石平議員(日本維新の会)に制裁を科すと発表(98日)。自民、前倒し総裁選を「フルスペック方式」で104日実施を決定(9日)。ネパール、SNS規制抗議デモが激化し、オリ首相が辞任表明(9日)。イスラエル、カタールを攻撃(9日)。MAGAMake America Great Again/アメリカ合衆国を再び偉大な国に)の青年リーダー、チャーリー・カーク氏が銃撃され死亡(10日)。米政権、G7財務相会合で対中印関税引き上げを要請(12日)。ロシア無人機の領空侵犯、ポーランドに次いでルーマニアにも(13日)、などです。

 米国の保守系団体「ターニング・ポイントUSA」の代表、チャーリー・カーク氏(31歳)が910日、米西部ユタ州の大学で銃撃を受け死亡しました。

 ユタ州立ユタバレー大学(ソルトレークシティーの南約60km)での出来事です。昼過ぎ、約3000人の聴衆の前で演説中に、首を撃たれたのです。

 私は、チャーリー・カーク氏を知りませんでした。事件後の米国内外の反応を知り、その存在の大きさを確認することとなりましたが、トランプ政権を支える草の根運動への関心をもっと深めなければと強く思わされました。

 カーク氏は、コミュニティカレッジ(短期の大学)に合格していたものの、大学へは通わずに18歳で保守系団体「ターニング・ポイントUSA」を主宰します。

 彼は大学教育の現状に大きな衝撃を受け、変化をもたらす動きを自分から始めようと決心します。
 そしてその後、全米の高校・大学のキャンパスで保守的な思想を広める取り組みを通じ、全米で3000を超える拠点を持つようになったのです。

 カーク氏の訴えは、キリスト教福音派の信仰を土台として、自由市場、小さな政府、個人の自由の需要性を強調します。そして不法移民、リベラル派の思想に厳しい発言をしてきました。

 彼の言動はトランプ大統領にも評価され、SNSで多くのフォロワーを抱えるようになりました。フォロワーの数は、TikTok700万人以上、Xでは500万人以上です。
 そのようにしてカーク氏は、MAGA運動の代表的人物となったのです。

 今SNS上では、保守派、リベラル派双方の投稿で「内戦」の言葉が急増しています。このような状況をつくり出そうと背後で策動しているのかもしれません。

 トランプ大統領は912日、容疑者を拘束したことを明らかにしました。
 拘束されたのはユタ州在住の22歳、タイラー・ロビンソン容疑者です。銃撃現場から約400km離れた場所で当局が身柄を確保しました。

 トランプ氏の説明によれば、父親が容疑者から犯行を自白され、自首するように促したといいます。
 しかし本人は拒否。父親の友人である牧師が当局に通報して身柄を拘束することとなったとのことです。

 米メディアによれば、当局は付近の林でタオルに包まれたライフル銃を発見。装填された弾丸にはトランスジェンダーの権利擁護と反ファシズムを訴える言葉が刻まれていたといいます。

 この事件を受けてイタリア・メローニ首相が行ったスピーチがSNS上で広がっています。

 「私はしばしば不当に憎悪を拡散していると非難されてきた政治コミュニティーの出身です。その非難はなんと、今日沈黙し、軽視し、さらには計画的で意図的な、冷酷な殺人行為を正当化したり称賛したりしている者たちによってなされたものです。31歳の青年は自らの信念を勇敢に守ったという罪を背負わされたのです」

 「彼は単に公の場に座って、どんなテーマでも、誰でも彼と議論できることを許可していました。彼は自分の考えを信じていたので、それを笑顔でやったのです。彼はそれを、敬意を持ってやりました。そのことにおいて彼は恐ろしい存在だったのです。なぜなら、議論の材料がない時は議論の材料のある人を恐れるからです。私はそれを何度も見てきました」

 メローニ首相はこのように、「彼は単に公の場に座って」常に議論をしようとしたこと、それが反対派にとっては「恐ろしい」ことだったことを強調しています。

 外に出て若者に向かって議論し、何が善であるかを語り合う姿は、ソクラテスを想起させます。しかしソクラテスも「死刑」となりました。

 私たちも外に出て議論をしましょう。そして反対する人とも語り合いましょう。
 その姿勢と行動が最も大きな、社会を変える力であることをカーク氏は示したのです。



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