私の心の中にいる神様 52
言葉はなくてもつながっている

 良心との対話で、ワクワク感が止まらない!
 真の父母様が、「第二の神様」であると言われた“良心”。自分の心の中にいる神様―良心―と対話(瞑想、祈り)することによって、自己中心的な思いに囚われていたことに気付き、本然の自分を取り戻していくことができます。
 そんな真の父母様のみ言と解説、それに基づいた実践(ワーク)を軸に展開されている自己牧会プログラムの中で多くのかたが感じた体験をお届けします。

言葉はなくてもつながっている

 訪問介護の仕事をしています。
 担当する患者さんの中に障害のあるお子さんがいます。その子は生まれつき、自力で呼吸することも、体を動かすこともできません。目を見ても一切瞳は動かず、笑顔で話しかけても一方通行です。

 初めてその子に会ったのは、その子が5歳の時で、今は12歳になりました。
 この7年間、その子の気持ちを理解してあげたいと思いながらもできず、私の中にはずっと悲しい気持ちがありました。
 ですから、その子との時間が終わると、どっと疲れるのが常でした。

 「自己牧会プログラム」に出合って、人は根底において良心でつながっていることを学ぶと、その子との関係に希望を感じるようになりました。
 以来、その子の良心に、「生まれてきてくれてありがとう」と投げ掛け続けました。

 ある時、その子のお母さんから、一日通しての通院介護の依頼が来ました。
 普段は午後からの半日が多かったので不安もありましたが、お母さんが私を頼ってくださるのだなと思い、引き受けました。

 その日は病院を幾つか回ったのですが、なぜか自分がすごくリラックスしていることに気が付きました。
 また、その子もとても落ち着いているなという感覚がありました。

 あとは耳鼻科で終わりという時に、お母さんが「どうしてかしら、きょうはこの子のバイタル(バイタルサイン/「生命兆候」という意味の医学・医療用語)がとても安定しているわ!」とおっしゃいました。
 朝からずっと連れ回されているのに、身体のいろいろな数値(血圧・脈拍・呼吸速度・体温など)が安定しているというのです。

 無事に帰宅し、別れが近づくにつれて、その子に対して愛おしい気持ちが溢れて止まらなくなりました。
 私は、「きょう一日、頑張ったね。大好きだよ!」と気持を伝えました。なぜか涙が溢れてなりませんでした。

 最後に「また会おうね!」と言ったら、驚くべきことが起こりました。その子の喉がきゅっと鳴ったのです。
 この7年で初めてのことで、思わずお母さんと顔を見合わせました。お母さんは、「今のはこの子の返事だったのかもしれませんね」と言っていました。

 その日は、疲れを全く感じない、不思議な一日でした。
 人は目に見えない心と心でつながっているということを実感しましたし、このような喜びを多くの人々との間で結んでいきたいと思いました。

(女性 60代)

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 次回(1月23日)は「子供が幸福なら、それでよい」をお届けします


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