青少年事情と教育を考える 142
令和の日本型学校教育とは

ナビゲーター:中田 孝誠

 中央教育審議会が「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」という、今後の学校教育の在り方を示す案(中間まとめ)を昨年10月に公表しました。今月にも正式に答申として発表される予定です。

 サブタイトルは「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」です。
 従来の学校教育の成果と課題を挙げて、その対応策を示しています。これから取り組まれる、あるいは取り組むべき内容を示していると言えます。

 まず、社会の在り方が劇的に変わる「Society5.0時代」になり、さらに新型コロナウイルスの感染拡大など先行き不透明な「予測困難な時代」になっていると述べています。
 そして、これまでの成果として、学習指導だけでなく生徒指導の面でも教師が総合的に指導し、子供たちの知・徳・体を一体で育む「日本型学校教育」が諸外国から高い評価を受けてきたことがあり、コロナ拡大防止で学校が臨時休校になったことで学校の役割が再認識されていると記しています。

 その一方で、現在の課題として、「本来は家庭や地域でなすべきことまで学校に委ねられ、学校と教師の負担が大きくなっている」「いじめや不登校、貧困の増加」「生徒の学習意欲の低下」「教師の長時間勤務による疲弊や教師不足の深刻化」「情報化への対応の遅れ」「少子高齢化、人口減少による学校教育の維持と質の保証に向けた取り組みの必要性」などを挙げています。

 その上で、学校の働き方改革やGIGAスクール構想の実現を急ぎ、従来の日本型学校教育を発展させた新しい時代の学校教育を実現させると述べています。

 そのために、「個別最適な学び」というキーワードで、「個に応じた指導」と教師と生徒や生徒同士の「協働的な学び」を取り入れるとしています。

 具体的な取り組みとしては、小学校での教科担任制、「11台端末」による一人一人の学習内容の理解度の向上と学びの高度化、教師の負担軽減、不登校やいじめへの対策の充実などが挙げられています。

 抽象的な概念が多いことや、「令和」と言っても以前から議論されていることを引きずっている、といった批判もされています。
 それでも、今後の学校教育の在り方を方向付ける内容になるとすれば、注目していく必要があります。