「幸せな結婚」を考える 7

2章 新しい結婚観
結婚とは「ために生きる生活」のスタート

ナビゲーター:長岡 高史

 なぜこんなにも結婚には「自分のためではなく、相手のために生きること」が求められるのでしょうか?

 未婚者の多くが、結婚はゴールと考えがちです。運命的に出会い、刺激的な交際期間を経て、ドラマチックにプロポーズをする…。しかし、結婚した後、二人は必ず気付きます。結婚は決してゴールなんかではなかったと。

 ひとりでの生活が終わるという意味では、「結婚」はゴールに違いありません。しかし、それは同時に二人での生活がスタートするのです。

 「二人の生活」というと聞こえはいいかもしれませんが、現実は簡単なものではありません。一人では当たり前だった生活習慣が相手にとってはあり得ない言動になることもありますし、また、その逆もあるでしょう。
 その時、自分の幸せだけを願ったらどうなるでしょうか? 相手の言動一つ一つを指摘して、「気に食わないから直してほしい」と言ってしまう。そういうことを平気で言う人は、同じことを相手から言われたらかんしゃくを起こすのがオチです。

 幸せな結婚を願うとき、「自分の幸せ以上に相手の幸せを願う」というのは、努力目標ではなく必須条件なのです。